寿元堂薬局の著作

 長年にわたって漢方の啓蒙に努めてきた寿元堂薬局の創業者の著作には、専門書の「黙堂柴田良治処方集」「漢方処方・口訣集」と、一般の人に漢方の真実を伝える「誤解だらけの漢方薬」があります。新しい順に紹介します。

「漢方処方・口訣集」
(北山進三編 A4判 791ページ)

「漢方処方・口訣集」 日本の伝統医学である漢方の処方集「黙堂柴田良治処方集」に収載される996処方のうち757処方について、古典の病名分類を摸して再編したものです。漢方薬の出典に江戸時代の口訣(名医の秘伝)を加え、漢方が盛んだった当時の漢方薬の使い方を学ぶ資料になります。 漢方薬は使い方次第で効果が大きく変わります。現在は漢方を専門的に学ぶ場が非常に稀になり、古典に接する機会も少なくなりました。本書には、各処方について原典に限らず複数の出典を記載し、「牛山活套」「牛山方考」「方読弁解」「古方漫筆」「漢陰臆乗」「方輿輗」「内科秘録」「方彙口訣」「勿誤薬室方函口訣」を主として、その他の口訣を適宜に収載しています。

「誤解だらけの漢方薬」
(北山進三著 四六判 227ページ)

「誤解だらけの漢方薬」表紙

 寿元堂薬局は、創刊当初より30年以上にわたって岡山リビング新聞社が発行する「リビングくらしき」新聞にコラムを掲載して、漢方をさまざまな角度から取り上げて皆さんに紹介してきました。 「リビングくらしき」新聞が創刊25周年の機会に、それまでの集大成として「誤解だらけの漢方薬」をまとめました。 「誤解だらけの漢方薬」は、漢方の常識をわかりやすくまとめた書です。漢方薬を飲んでいる人も、これから飲もうと思っている人も、一度は読んでいただきたいと思います。読めば漢方に対する誤解の多さがわかるでしょう。 本書を通じて、少しでも多くの人に漢方を理解していただくことを願っています。そして、必要とする人たちから漢方本来のすばらしい価値を遠ざけないためにも、日本の伝統医学である漢方を大切にしてほしいと思うのです。

「黙堂柴田良治処方集」
(柴田良治著 北山進三編集 A4判 516ページ)

「黙堂柴田良治処方集」表紙

 寿元堂薬局の創業者の師・柴田良治先生は、浅田宗伯先生の流れをくむ細野史郎先生と森田幸門先生のお二人から漢方を学びました。浅田宗伯先生といえば、江戸時代末期から明治時代中期にかけて活躍した、漢方界最後の名医といわれるほどの偉人です。 柴田先生は、細野、森田両先生の教えを取り入れながら、古典に残された先人の膨大な知恵を読み解き、ご自身の漢方の流儀を大成なさいました。 先生の処方集「黙堂柴田良治処方集」には、先生の常用処方をはじめ、重要な処方や基本の処方を含めて996処方が収載され、それぞれの処方名、読み方、処方内容、適応のほか、「出典」「勿誤薬室方函」「方読弁解」などの条文を引用しています。 この処方集を発刊した平成元年当時は、漢方が普及しようとする時代でした。しかし、漢方薬の安易な使い方をする人達も急増していました。そこで、本来の漢方薬とその効果を知っていただくために、この処方集をまとめたものです。