漢方とのつきあい方

 できるだけ上手に漢方とつきあっていただくために、私なりに気がついたことがいくつか紹介しましょう。
 これから漢方薬を飲もうと思っている人だけでなく、漢方薬と上手に付き合いましょう今漢方薬を飲んでいる人、過去に漢方薬を飲んで失敗した人にも役に立つと思います。
漢方薬は、飲む人の証(しょう)に合わせて選びます。証というのは、その人の体質・症状などを含めた全身状態のことです。証を把握することは思うほどたやすいことではなく、適切な漢方薬を選ぶのは専門性が高い仕事です。治りにくい病気の人は、専門家とよく相談しながら自分に合った漢方薬を探すとよいでしょう。そうすれば、比較的短期間で効果を得ることが多いものです。
漢方が適する病気のほとんどは、漢方薬だけで十分に対応できます。少数の例外を除いて、健康食品やサプリメントなどを利用する必要はありません。あれこれたくさん飲むよりも、適切で効果的な漢方薬を選んだほうが効率がよいのです。
一つの病気や症状の改善を目的として飲む漢方薬は、ほとんどの場合一種類で十分です。ときに二種類の漢方薬が必要なことがありますが、多くの種類の漢方薬を一度に飲むときは、よく内容を確かめましょう。
漢方の長所や効果を過大に評価してはいけません。また、薬の副作用など西洋医学の欠点を誇張する必要もありません。それぞれの優れた面を利用しながら、欠点を補い合うという役割分担を考えてもよいでしょう。
マスコミなどで突然話題になるような漢方薬や生薬(しょうやく)に飛びつくことは控えましょう。中には良いものもありますが、過去の例では、一時の流行に終わるものや、あまり価値のないものがほとんどでした。専門家によく相談して吟味しましょう。
 以上のことに注意すればよいと思いますが、結局は漢方に詳しくて相性の合う専門家に相談すればよいということになるでしょう。