アトピー性皮膚炎が治りません

 子どものころはなんともなかったのですが、大人になってからアトピー性皮膚炎にかかりました。薬を塗ってもなかなかよくなりません。
(27歳・女性)
 アトピー性皮膚炎は、ひと昔前は乳幼児の患者がほとんどで、子どもの病気と思われていたのですが、最近のアトピーは治りにくく、近年は大人の患者が急増しています。子どものころのアトピーが成人になって再び出始めたという人、子どものころには出なかったのに大人になってアトピーになったという人など、さまざまです。
 何が原因なのかはっきりとは分かりませんが、これまで言われてきた食物や住宅環境の影響のほかに、ストレスの影響もあると考えられます。
 西洋医学の治療を行いながら、どうにも治らなくて漢方を求めてくる人も少なくありません。漢方薬を使う場合は、漢方薬の一時抑えの作用は西洋医学の薬ほど強くはないことを知っておく必要があります。患者の日常生活の質を考えると、場合によっては、ステロイド剤などの薬を併用し、症状が改善するに従って、徐々に漢方薬単独に切り替えていくのが無理のない方法といえます。
 漢方薬の使い方は、やはり、個人の体質と症状に最重点を置いています。よく使われるものを紹介しましょう。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)世界で初めて全身麻酔による乳がんの手術をしたことで有名な華岡青洲先生が創作した薬。化膿性疾患や皮膚疾患などの体質改善にも使用されます。

消風散(しょうふうさん)分泌物が多く、かゆみが強い皮膚炎に使われます。患部にはかさぶたができて、地肌は赤みがあり、かゆくて夜も眠れないほどかきむしるというケースにも適する薬。頑固な湿疹(しっしん)、じんましん、皮膚掻痒(そうよう)症などにも使用されます。

温清飲(うんせいいん)皮膚が乾燥して分泌物が少なく、かゆみが強い皮膚炎に。患部が熱を伴っていたり、赤みがある慢性のものに奏功します。

当帰飲子(とうきいんし)貧血傾向のある人や虚弱な人の乾燥タイプの皮膚疾患に使われることが多い薬。

柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)明治後期から昭和初期、体質改善を重視して活躍した森道伯先生の創作。筋肉質で皮膚の浅黒い人に適することが多いのですが、やせ型や青白い人にもよいことがあります。

 漢方薬は、二度と病気が発症しないような体質改善を目的に処方されます。アトピーも適切な漢方薬を続ければ、次第に症状が治まっていくはずです。いずれにしても根気よく続けることが早道でしょう。