急性腸炎になりました

 急におなかが痛くなり、脂汗が出るほどで、病院に行くと「急性腸炎」といわれました。これはいったいどんな病気でしょうか。また、漢方処方はあるのでしょうか。
  (36歳・男性)
 さぞかしつらかったことでしょう。  急性腸炎とは、大腸や小腸に急に起こる炎症のことで、その原因はさまざまです。ウイルス、細菌、寄生虫、毒物、薬物、キノコ、アルコール、抗生物質の副作用、寒さ、暑さ、暴飲暴食、放射線、心不全、尿毒症、腎炎、小麦や卵などの食物アレルギー、腹部手術後…ほかにもまだあります。
 その症状は、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱など。下痢は1日に10数回に及ぶこともあります。また、小腸がおかされた場合は嘔吐を訴える ことが多く、大腸がおかされた場合は下腹部の痛みを訴え、便に粘液や、重度になると血液や膿が混じることがあります。
 治療もまた、原因によってさまざまです。西洋医学では、赤痢などの場合は抗生物質を与え、キノコなどの食中毒の場合は下剤で体外排泄を、嘔吐には注射や坐薬を与えます。また、安静、保温、食事療法は、どの原因の場合でも共通です。
 一方、漢方の世界では、急性腸炎の初期には気滞血滞があり、下痢を水毒としてとらえます。急性腸炎の中でも最も多いウイルス性の急性腸炎には、漢方薬がよく奏功することがあります。
それでは、代表的な漢方薬を見てみましょう。

大承気湯(だいしょうきとう)体が頑丈な人の食中毒、食物アレルギーに。

葛根湯(かっこんとう)体が頑丈で、悪寒があり、発熱し、下痢の傾向が強い人に。

大柴胡湯(だいさいことう)体が頑丈で、悪心、嘔吐、口の渇きがある人に。白色または黄褐色の舌苔がある人に。

黄連湯(おうれんとう)体の丈夫さは中程度で、腹痛嘔吐を主とする人に。舌に厚い白い苔がある人に。

桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)下痢の回数は多いが、1回の量が少ない人に。

小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)体力は中程度で、悪心嘔吐の強い人に。吐いた後も悪心のあることが多い。

五苓散(ごれいさん)乳幼児が、口の渇きを訴え、尿が少なく、水やお茶を飲むと噴水状に吐き、水状の下痢をする場合に。

人参湯(にんじんとう)普段からおなかが弱い人が、おなかを冷やして下痢をする場合に。

 1週間前後でよくなる場合が多いようです。脱水症状を起こさぬよう、まめに水分をとってください。