中耳炎を繰り返しています

 子どものころから中耳炎になりやすかったのですが、大人になってからも繰り返しています。効果のある漢方薬がありますか。
(28歳・男性)

 中耳炎といえば、簡単に治る病気というイメージがあるものですが、相談者のように数年以上の長期にわたって繰り返している人や、何カ月も耳鼻科に通っているのに治らない人がいます。
 抗生物質などを用いてもなかなか治らなくて慢性化してしまい、耳鳴りや難聴になることがあります。また、真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎というややこしい状態になって、手術をしなければならなくなることもあります。
 私の知り合いのご主人が、若いころから中耳炎に悩まされていて、手術を3回も繰り返していました。そして「また手術が必要と言われた」と4回目の手術の前に当薬局にやって来られたので、彼の体質や症状に合った煎じ薬を飲んでもらったところ、2カ月ほどでその症状はいったん治まりました。
 その後数回、軽度の中耳炎を繰り返しながらも、その都度煎じ薬で対処すると、完全に症状が治まってしまいました。結局、手術を受けずに済み、中耳炎の心配がなくなり、「体調もよくなった」ととても喜ばれたことを今でも覚えています。
 西洋医学で治りやすい中耳炎なら漢方の出番はありませんが、難治性や繰り返しておこる中耳炎なら漢方薬を試してみる価値が十分あるでしょう。
 いろいろな漢方薬を使いますが、その中からいくつか紹介します。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)耳が腫れて痛むときに使うことがあります。この処方は、明治時代に森道伯(どうはく)先生が工夫したもので、皮膚が浅黒くてやせ型の人に適することが多く、中耳炎のほか、肥厚性鼻炎、副鼻腔炎、慢性扁桃炎、ニキビなどにも使われます。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)解毒効果の高い生薬(しょうやく)を中心にした十味敗毒湯は、湿しん、じんましん、化膿(かのう)性の皮膚疾患などによく使われる薬です。中耳炎も炎症と化膿を引き起こしている状態なので、効果があります。
小柴胡湯(しょうさいことう)急性中耳炎が慢性化してきたような場合に用います。こじれた風邪や食欲不振、胃炎などにも

 そのほか、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)などさまざまな薬があります。