不安と動悸に襲われます

 時々不安を感じ、動悸(どうき)や頭痛を感じます。今までなぜだか分からなかったのですが、最近、神経症という病について知りました。漢方薬を服用する人がいるとも聞いたのですが。
(55歳・女性)
 神経症は心の病の一種であり、精神的な原因によって起こる心身の多彩な症状のことで、最近は不安障害ともいわれています。
 心の症状としては、神経衰弱状態、不安状態、抑うつ状態、脅迫状態、敏感状態、ヒステリー状態など。身体的な症状としては、疲労倦怠(けんたい)、頭重、頭痛、心臓痛、不眠、健忘、頻尿、眼精疲労、動悸、けいれん、食欲不振、性欲減退、イライラ感、失声、視野狭窄などです。
 例えば、エレベーターなどの閉塞した場所で、閉所恐怖を感じ、動悸や頭痛、のぼせなどの身体症状が現れるとか、ヒステリー状態が続いてヒステリー性痴呆や健忘が現れる、などが神経症の症例です。
 神経症は、誰にでも起こりうる症状であり、その要因は、本人の性格など遺伝的な資質によるものと、ストレスなどの環境によるものが複雑に絡んでいます。性格が大きな要因である場合は、漢方といえども十分な効果を表すまでに時間のかかることがありますが、一度は試してみる価値があります。
 それでは、神経症によく使われるたくさんの処方の中から、一部を取り上げて紹介していきましょう。

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 不眠、多夢、イライラ、不安、抑うつなどの精神神経症と、動悸、目まい、肩凝りなどの身体症状が見られる場合に。

抑肝散(よくかんさん)イライラ、不安、不眠などに加えて、ヒステリー、チック、歯ぎしり、顔面けいれんなどがある場合に。

釣藤散(ちょうとうさん)頭痛、目まい、耳鳴り、目の充血などがあり、午前中に頭痛のあることが多い場合に。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)不安、イライラなどに加え、体力がなく、息切れ、口の渇き、足の冷え、尿が出にくいなどがある場合に。

加味逍遥散(かみしょうようさん)抑うつ、イライラと、頭重、目まい、ほてりなどがある場合に。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)不安、恐怖などがあり、発作性の動悸が見られる場合に。

 西洋医学では、カウンセリングなどの精神療法と、精神安定剤などの薬物療法を用いますが、なかなか思うように改善しないケースもあります。
 漢方薬を併用することで症状の改善がはやくなり、西洋医学の薬を次第に減らしていくことができることは少なくありません。上手に利用してもらいたいと思います。