結婚して3年、まだ子供が…

 結婚して3年です。不妊治療も受けているのですが、なかなか子宝に恵まれません。漢方薬を飲んでみたいと思っているのですが。
(38歳・女性)
 私の薬局でも、女性から受ける相談数ナンバーワンが不妊です。不妊とは、正常な夫婦生活があって妊娠を望みながら2年以上妊娠しない状態をいいます。
 以前は、不妊の原因を女性の責任と考える向きがありました。今では、男性に原因がある場合や、双方に原因がある場合が分かっています。
 さて、私の薬局では、不妊症の相談のご夫婦に対して、まず女性に漢方薬を飲んでもらうようにしています。
 これは、たとえ男性の精子の運動率が低い場合でも、女性の月経を整えることで、妊娠しやすくなると考えるからです。「ひ弱なピッチャーが投げる球が頼りなくても、キャッチャーがしっかりしていれば受け止められる」と考えれば分かりやすいでしょう。
 不妊の改善に利用することが多い漢方薬が、鹿茸大補丸(ろくじょうたいほがん)という丸薬です。
 また、漢方の煎じ薬を飲んでいると、女性の基礎体温の乱れが正常化したり、月経不順、月経困難症、冷え症がだんだんとよくなったりするのが分かります。そうするうちにいつの間にか妊娠するケースがよくあるのです。
 さらに、男性の側にも漢方薬を飲んでもらうと、確率が高まります。精子の数を増やし、運動量を高めるのに、漢方薬が役立つのです。
 漢方薬を飲んでみる効果は、大いにあります。
 それでは、不妊によく使われるその他の漢方薬を見てみましょう。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)不妊の検査をしても異常が認められず、虚弱で血色がすぐれず、冷え性、月経異常、やせ気味の人に。

当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)虚弱で胃腸が弱く、貧血気味で疲れやすい人に。

加味逍遥散(かみしょうようさん)足腰が冷え、頭痛、肩こり、不眠、不安などがある人に。

温経湯(うんけいとう)体力が低下し、冷え症で、唇の乾燥、手のほてりなどがある人に。

四物湯(しもつとう)体力が低下して、顔色が悪く、手足が冷え、皮膚が乾燥傾向の人に。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)体力は中程度で、赤ら顔で、暑がりの人に。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)体力があり、便秘、のぼせがある人に。

 漢方薬を飲んで数カ月で妊娠する著効例も少なくありませんが、しかし、気構えとしては、焦らず1年か2年程度服用するつもりでいるとよいでしょう。コウノトリがやって来ることをお祈りします。