元気を取り戻す漢方薬はありますか?

 年を取って最近は元気が出なくなりました。同年代の友人が旅行を楽しんでいるのがうらやましいです。元気を取り戻す漢方薬があるでしょうか。
(73歳・女性)
 高齢になると、元気がなくなるものです。江戸時代に最もよく使われた処方集「古今方彙(ここんほうい)」には、補益という項目があります。 補益とは、個々人の弱っている状態に応じて、さまざまな方法で身心を補い元気を取り戻すことですが、「古今方彙」では、「老人モ気血(身心)ノ弱リ易キ故ニ此処ニ附ケテ有ルゾ」として、高齢者への対応策を付記しています。
 年齢を問わず元気を取り戻すことに漢方薬の効き目が喜ばれることは多いものです。
 寿元堂薬局に相談に来られる人の中にも、元気になった、疲れにくくなった、よく働ける、旅行ができるなど、体調が良くなったケースが少なくありません。
 病気の人は、ご自身の全身状態に適した漢方薬を飲んで病気の改善を図ればよいのです。同じ病気に対しても、漢方では虚弱な人やそうでない人では適する薬が異なります。ですから、元気のない病人が適する漢方薬を飲めば、結果的に元気を取り戻すことにもつながるのです。
 単に普段から元気のない虚弱な人や過労で元気を失っている人、加齢で弱っている人などには、その人の状態によって身心を補う漢方薬を利用すればよいでしょう。

 効果の出方、感じ方は人それぞれです。その人の状態と利用する薬によっても異なりますが、思いがけない速効を数日で感じる人もあれば、時間をかけてじわじわと元気がつく人もあります。
 いずれにしても、元気が出ることを自覚するまでに長い時間のかかる人はまれです。
 しかし、体力と気力を十分に回復して、漢方薬に頼らなくてもよくなるまでにはある程度の根気が必要でしょう。

 また高齢者の場合は、加齢に抗してどこまで元気を保つことができるのかということになりますが、漢方の立場では、暦年齢に比べて肉体年齢が必要以上に老化して元気を失っている人が少なくないように感じます。
 そのような人が漢方薬を利用して、暦年齢相当の状態に近づくと、まるで若返ったとしか思えないことになります。
 また、元気を保つための予防を考える人たちもいます。例えば韓国では、春と秋に補薬(ほやく)を飲みます。鹿茸(ろくじょう)、高麗人参などを配合したぜいたくな薬ですが、毎年続けて飲むことで元気を保つ努力をするのです。
 質問された人の年齢では、適切な漢方薬を利用することで元気になる可能性が高いと思われます。来年の大型連休を待つことなく旅行を楽しむことができることを願っていますので、専門家に詳しくご相談ください。