母は変形性膝関節症、私は腰痛持ちです

 親子そろって痛みに耐えております。というのが、母は変形性膝関節症、私は腰痛持ちなのです。おかげで痛みを理解し合え、時には互いをかばい合って笑ってしまうのですが、漢方薬で和らげばと思います。
(48歳・女性)
 お便りを拝見して、仲のよい親子に、ぜひ漢方で良くなっていただきたいと感じました。
 痛みの病気にも漢方は有効です。中でも当薬局に来られるお客さまで喜んでいただけることが多いのは、腰痛、変形性膝(ひざ)関節症、それから、坐(ざ)骨神経痛、関節リウマチなどです。
 一口に腰痛といってもさまざまな原因があります。特に腫瘍(しゅよう)、結核菌感染による脊椎(せきつい)カリエスなどであれば、西洋医学の技術を駆使して治療に専念すべきです。
 幸いにこれらが原因でなくても、変形性脊椎症、腰部椎間板症、腰部椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、腰部脊椎管狭窄症、腰椎分離・すべり症…とさまざまな診断が下されます。
 漢方薬であれば、これらの病気に対し副作用の心配なく服用できる上、慢性腰痛患者は冷え、ほてり、便秘、下痢などの症状を併せ持つ場合が多く、これらの症状も同時に軽減・消失させられるメリットがあります。
 一方、変形性膝関節症は中年以上の女性に多く、肥満、冷えなどが症状を悪化させます。漢方では、これらを「寒」「湿」「水毒」などという病気の要素と考えて対処します。いまだに「漢方は気長に飲み続けるもの」と思っている人が多いようですが、そうではありません。
 実際に、6、7カ月前から膝がズキズキと痛み、朝起きたときに手足が硬ばり、下半身がむくむという50歳の女性に、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を1カ月服用してもらったところ、足の痛みと手足のむくみが楽になり、もう1カ月服用するだけで済みました。
 症状が軽いうちなら治りやすいのですが、症状を繰り返すうちにだんだんと治りにくくなるので、早めの対処が有効です。また、すっかり慢性化している場合でも、3カ月程度試すことで、漢方の効果を判断することができるでしょう。
 そのほか、痛みによく使われる漢方薬のほんの一部を紹介しましょう。

桂枝加苓朮湯(けいしかりょうじゅつとう)冷え性で、手足の関節が腫れて痛み、屈伸しにくい人の腰痛、神経痛、関節リウマチなどに有効。

五積散(ごしゃくさん)胃腸が弱くて顔色が悪く、下半身が冷える人の慢性化した痛みの病気に使われます。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)筋肉、関節、神経などの痛みに。特に腰から下の症状で、痛風、膝関節症、腰痛、坐骨神経痛などに広く用いられます。