椎間板ヘルニアで歩きにくい

 父はタクシー運転手です。数年前から腰が痛み、医者に診てもらうと、椎間板ヘルニアと診断されました。職業病のようですが、仕事を辞めるわけにもいかず、治療の成果もあまり上がっていません。最近は歩きにくそうなので、良い方法はありませんか。
  (29歳・女性)
内服薬ながら意外に奏功する漢方薬
 椎間板ヘルニアは、重いものを急に持ち上げたときや、座り続けることが多い運転手や事務労働者などによく見られます。それも患者は、女性より男性に圧倒的に多いようです。
 原因は、背骨を構成する24個の「椎骨(ついこつ)」をつなぐ「椎間板」が圧迫されて突出し、これが神経に当たって、しびれや痛み、排尿障害などを起こすというものです。
 椎間板ヘルニアは、内服薬では治らないと思われがちですが、実際には漢方薬がよく奏功することがあるものです。ただし、漢方薬ですべてが治癒すると考えるのでなく、牽引(けんいん)療法や温熱療法、ブロック療法、消炎鎮痛剤などを併用してよいこともあるでしょう。また、急性期には、絶対安静を守ることが肝要です。
 それでは、いくつかの代表的な処方を紹介しましょう。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)瘀血(おけつ)、水毒、風寒湿がある状態で、特に腰から下に発する筋肉、関節、神経などの疼痛(とうつう)に。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)冷え性で、四肢関節の疼痛や膨張、運動障害がある場合に。

八味地黄丸(はちみじおうがん)副腎や泌尿生殖器の機能低下で、尿利不調となり、下半身の脱力感、痛み、しびれがある場合に。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょう)冷え性の人が寒冷で血行障害を起こし、下腹部、腰、四肢末端に痛みや冷えを訴える場合に。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)瘀血に対する代表的な漢方薬で、疼痛が比較的緩和で、うっ血、出血などに関連した症候群がみられる方に。むちうち症にも効果をみる場合が多い。

葛根湯(かっこんとう)体の丈夫な人が、頚椎(けいつい)の椎間板ヘルニアで背や肩など上半身の疼痛、こわばりを訴えるときに。

二朮湯(にじゅつとう)どちらかというと虚弱で、水毒の傾向がある人が、頚椎の椎間板ヘルニアで、両肩から上腕にかけて疼痛を感じる場合に。

 漢方薬の選定は、素人判断では難しく、専門家に相談してください。また、これらの漢方薬はいずれも、まず2週間程度を目安に服用してみると良いでしょう。1、2カ月たっても変化がない場合は、ほかの漢方薬に切り替えてみてください。