冷え症に効く漢方薬は?

 冬になると手足が冷えてなかなか寝付けません。冷え症の人は周りにもたくさんいますが、話を聞くと、私の冷え症はかなりひどいみたいです。妊娠しにくくなるとも聞くし、不安です。漢方は冷え症に良いそうですが、どんな漢方薬ですか。
  (25歳・女性)

 2008年ももう終わりです。皆様にとって、どのような年であったでしょうか。健康こそ財産。皆様の健康づくりの一助になればと、漢方薬の良さや特長をこのコラムで紹介し続けています。
 体調が悪いけれど病院に行っても原因がはっきり分からない、また、西洋医学の治療を受けてもなかなか良くならない、というとき、漢方をもって対処すると驚くような効果が見られることがあるので、私は常々、「漢方薬を試してみると、楽になることがありますよ」と訴えてきました。漢方薬を飲む人も、正しい知識を持って、賢い消費者になってほしいと願っています。
 さて、今年最後のテーマは「冷え症」です。
 日本人女性の3分の2が冷え性だともいわれ、冷え症で悩む人はたくさんいます。また、冷えの感じ方は、人によってそれぞれ異なります。全身が冷える、手足、腰、足首、膝から下、足先、下腹部など、特定の部位が冷えるなど。漢方では古くから冷え症について細かく観察していて、「水の中に座っているような」とか、「腰から下腹部にかけて風が吹き抜ける感じ」「氷を当てているように冷たい」など、さまざまな表現を用います。  冷え症は、血液の流れが悪くなるために起こりますが、なぜそうなるのでしょうか。
 漢方では、気血水の失調が影響すると考えます。気の変調は自律神経の失調、血の滞りは瘀血(おけつ)といい、ホルモンの失調や血液循環が悪いものを含みます。さらに水の停滞は、血液以外の体液の循環不良を表し、水滞、水毒などともいいます。さらに心臓の働きが弱い人や血管が細くて血液が流れにくい人は、冷え症になりやすくなります。
 食生活の変化、冷房など、環境の変化も冷え症増加の大きな要因です。
 それでは、代表的な漢方薬を紹介しましょう。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)平素から手足が冷え、夏でもソックスをはいて寝るような人に。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)貧血、冷え症で疲れやすく、頭重、目まい、肩こり、月経不順がある人に。

加味逍遥散(かみしょうようさん)イライラなどの神経症状があり、午後になるとのぼせたり、頭重、倦怠感などがある人の冷え症に。

桂枝加苓朮湯(けいしかりょうじゅつとう)汗をかきやすく、足が冷え、神経痛もある人に。