頻尿に効く漢方薬は?

  最近寒くなってきたせいか、夜中に必ず目が覚めて、2回から3回はトイレに行き、ゆっくり眠れません。頻尿に効く漢方薬はありますか。
(68歳・女性)
 健康成人の1日の排尿回数の平均は6、7回、多くても10回といわれています。就寝時は尿分泌量が減少するので、排尿がまったくないか、あっても1回程度。冬は汗をかかない分、トイレが近くなっても当たり前ですが、排尿が異常に多くなったとか、夜間に何度も起きてトイレに行く状態が続くようなら、頻尿といえるでしょう。
 一般的に高齢になると膀胱の容量が減少し、頻尿の傾向が強くなります。若くて頻尿なら、単純性膀胱炎、神経性頻尿の場合があります。
 漢方では、高齢の夜間頻尿は虚証とみなし、腎虚(じんきょ)の症状の一つと考えます。腎虚とは、腎臓、副腎、生殖器など下半身の機能が衰えた結果として、排尿異常、腰痛、足の無力感、冷え、しびれ感などの症状が出ることで、老化に伴うものが一番多いようです。
 漢方処方をいくつか紹介しましょう。

六味丸(ろくみがん)これは、地黄(じおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、沢瀉(たくしゃ)、牡丹皮(ぼたんぴ)、茯苓(ぶくりょう)という6種類の生薬(しょうやく)を粉末にして、蜂蜜で練って丸薬にしたもの。江戸時代の処方集「衆方規矩」(しゅうほうきく)には、「体が弱って目にチラチラと花のようなものが散る、耳鳴りがする、耳が聞こえにくい、足腰に力が入らない、排尿に勢いがないなどの状態の人に適する」と書かれています。

八味丸(はちみがん)冷えの強い人には、六味丸に桂枝(けいし)、附子(ぶし)を加えて丸薬にした八味丸がよいでしょう。体が弱り、足に力が入りにくいことがあり、排尿に勢いがなく、尿が出にくかったり、逆に多かったりする状態の人に適し、失禁、糖尿病、腎炎などにも使われます。

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)上半身に熱がたまっている一方で下半身が冷えて頻尿になっているような場合があります。この薬は、肺や心臓の周りの熱を冷ましてその熱を下半身にめぐらせる生薬と、腎臓を丈夫にする生薬で構成されています。胃腸虚弱を改善する四君子湯(しくんしとう)をベースにしているので、胃腸の弱い人に向いています。