たまった疲れをなんとかしたいのですが…

 毎日のように残業が続き、体が疲れきっています。休日は休日で、たまった家事や用事をこなすので、実際には休めません。疲労回復によい漢方薬を紹介してください。
(46歳・女性)
 疲労が回復できず、ついつい「今日も疲れたなあ」と口にしていませんか。現代は、息つく暇もなく仕事をしたり、目まぐるしく用事に追われたり、昔より忙しい人がとても増えてしまった時代のように感じます。
 何年も忙しい日々が続いて休養を取れないと、回復できない疲労がどんどん体にたまっていき、「累積疲労」という状態になります。疲れが限界を超え、体にさまざまな症状が現れてくるのです。軽度なら「単純なミスをする」「ちょっとしたことで怒りっぽくなる」「独り言を言う」などの症状が出ることがあり、それよりひどくなると、頭痛、肩凝り、耳鳴り、動悸(どうき)などが表れてくる場合もあります。体が重くて朝起きられない、心も疲れきってやる気が出ないということにもなりかねません。
 漢方では、疲れを非常に重視し、研究してきたので、疲労を回復するためのさまざまな漢方薬が開発されてきました。主な漢方薬や生薬(しょうやく)を紹介しましょう。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 胃腸の働きを整え、お腹の中から元気をつける漢方薬。胃腸の働きを補い、消化機能を高めて元気をつけるのが治病の根本だという「補中益気の説」を唱えた「補土派」の開祖、李東垣(りとうえん)先生が考えた薬です。胃腸が弱い人や胃腸の働きが衰えている人、手足がだるい人などに向いています
小建中湯(しょうけんちゅうとう) 平素から疲れやすい人に用いられます。虚弱児の体質改善やおねしょにも
六君子湯(りっくんしとう) 胃腸が弱くて食の細い人、胃がぽちゃぽちゃと音と立てるような人の疲れに使われます
牛黄(ごおう) 1000~3000頭に1頭の割合でしか見つからない、牛の胆石を乾燥させた非常に貴重な薬。肉体疲労の回復に即効性があります。カンフル剤としての効果もあります
 高麗人参(にんじん)疲労回復や食欲不振改善で有名な生薬の一つ。漢方では単に人参と呼んで、さまざまな漢方薬に配合しますが、民間療法として単独で使用することもあります
 疲労回復には、休養がなによりの薬になります。疲労を自覚したら、できるだけ休養を取って心と体をいたわることをお薦めします。
 しかし、さまざまな事情でゆっくり休めない、今は頑張るしかないという人は、漢方薬で元気を補えば、かなり体が楽になるはず。上手に利用したいものです。