ひざのひどい痛みに悩んでいます

 数年前からひざに痛みを感じるようになり、最近ひどくなってきました。鎮痛剤でなんとかしのいでいますが、漢方薬で楽になりますか。
(65歳・女性)

 ひざが痛いとき、ひざ関節の軟骨がすり減ったり、変形したりして起こる「変形性膝(しつ)関節症」と呼ばれる病気のことが多いものです。
 発症初期の段階では、違和感を感じる程度だったり、立ち上がろうとするときやしゃがむときなど、動作をスタートするときに痛みを感じることが多いといわれています。病気が進むと動作中も痛くなり、階段の昇り降り、特に降りるときに痛みを感じます。さらに進行すると、歩行困難な状態になったり、歩くたびに激痛にさいなまれることがあります。
 西洋医学の治療は大きく分けて2つ。一つは保存的治療で、正座や長時間歩行を控えるという日常生活の指導や、消炎鎮痛剤の内服など。もう一つは外科的治療。保存療法で効果が得られないとき、ひざの中に内視鏡を入れて患部を治療したり、人工関節にする手術をしたりします。
 多くの人が悩んでいるこの変形性膝関節症に対し、漢方という選択肢もあることを知る人は少ないようです。実は、漢方薬で楽になるケースがたくさんあります。「ひざの痛みに漢方薬?」と意外に思われるのですが、昔から漢方薬が使われて効果を発揮してきました。どのような漢方薬があるのか、一部をご紹介しましょう。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう) 約2000年前の書「金匱要略」の水気病篇に出てくる処方。汗が出て排尿の少ないときによく使われます。下肢の関節に水がたまって痛みのある、初期のものに
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう) ひざの痛みによく使われる薬。色白で筋肉が軟らかくてしまりがなく、水太りのぽっちゃりした女性や、汗かきの人に適することが多く、下半身のむくみを取り去る効果も見られます
疎経活血湯(そけいかっけつとう) 瘀血(おけつ)と水毒と風寒によって特に下肢の筋肉や関節に疼痛(とうつう)を発したものに用いられます。慢性化した症状に
薏苡仁湯(よくいにんとう) 水がたまってはれたり痛みがあるものに用いられます
桂芍知母湯(けいしゃくちもとう) ひざの関節が腫れて上下の筋肉が萎縮したような状態に

 お茶やお花の先生が、痛くて正座ができなくなったと言って相談に来られ、漢方薬を飲み始めると楽になったケースもあります。長年鎮痛剤でごまかして、こじらせてしまっている場合は改善するまでに時間がかかることがあります。
 しかし、漢方薬で軽減することも多いので、一度試してみるとよいでしょう。