胃の病気に効く漢方は?

 仕事のプレッシャーが大きいときに胃が痛くなります。病院に行くと胃かいようと言われました。胃の病気に効く漢方薬はありますか。
(51歳・男性)
 寿元堂に漢方相談に来られる人の中で、消化器疾患の相談は皮膚科疾患に次いで多く、相談全体の約1割を占めています。さらに、その消化器の病気の相談の中で多いのは、胃腸の不調です。仕事や人間関係による精神的なストレスも原因になっているため、ここ数年増えているように感じます。胃の病気で使う漢方薬をいくつか紹介しましょう。

安中散(あんちゅうさん) 胃の病気によく使われる漢方薬の一つで、甘草(かんぞう)、延胡索(えんごさく)、良姜(りょうきょう)、茴香(ういきょう)、桂皮(けいひ)、牡蛎(ぼれい)、縮砂(しゅくしゃ)という7種類の生薬(しょうやく)を混ぜた薬です。平素から胃の弱い人がおなかを冷やして胃痛を感じるときや、慢性の胃の痛みを伴う胃炎、胃酸過多症、胃かいよう、十二指腸かいようなどに使われます。虚弱体質で冷え症の人にこれらの症状があるときは、試してみるとよいでしょう。中国の宋の時代の「和剤局方」(わざいきょくほう)によると、「粉末にして熱いお酒で飲み、お酒の飲めない人は温かい塩水で飲み、婦人は温かい薄めた酢で飲むように」という指示があります。このように書物によっては、昔は漢方薬をどのように飲んだらよいか、飲み方や温度についてまで細かく指示されていました。

四君子湯(しくんしとう)・六君子湯(りっくんしとう)四君子湯は、人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、甘草、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)を組み合わせたもの。その四君子湯に半夏(はんげ)と陳皮(ちんぴ)を加えたのが六君子湯です。いずれも虚弱傾向の人の胃腸の病気によく使われる漢方薬。食べ過ぎるとすぐに胃がもたれる人、疲れやすくてやせ気味の人に適することが多く、もともと働きの弱い胃を丈夫にして、体全体を元気にします。慢性の胃腸炎、消化性かいよう、食欲不振などに広く使われます。

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)みぞおちにつかえがあるときや、吐いたり腸が鳴ったりして下痢をするときに適します。胃炎、胃かいよう、十二指腸かいよう、大腸炎、食欲不振などに使われます。

 胃腸の病気の中にも、漢方が効果的なケースがたくさんあります。病気が長引く場合は、専門家によく相談して、一度試してみる価値はあるでしょう。