年末年始は胃の調子が悪くなる

 忘年会、お正月、新年会…と続き、年末年始は決まって胃の調子が悪くなります。普段でも腹痛や胃のもたれを感じやすいので、何か良い改善方法はないかと探しています。
(44歳・男性)
 ご馳走を目の前にするとつい食べ過ぎてしまうものです。そのような暴飲暴食に加え、最近ではストレスなどの精神的な影響も強く、病名はつかないけれども、胃痛・腹痛・胃のもたれ・胸焼け・下痢・便秘などの症状でお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。
 漢方は胃腸のトラブル改善を得意としているばかりか、胃腸そのものを元気にしてくれます。
 代表的なものを疾患別に見てみましょう。
 非常に多い疾患。胃のX線検査、内視鏡などの進歩で診断が確実になり、また、手術を受けなくても西洋薬で治療できるケースが増えました。ただし、再発が多いのが特徴です。漢方では、胃に熱があるか、水毒があるかなどを見ます。使用する漢方薬は、安中散(あんちゅうさん)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)など。
 胃の粘膜に慢性の炎症が生じて起こるものでは、萎縮性胃炎・無酸性胃炎・胃酸過多性胃炎などが挙げられます。食欲不振・胃のもたれ・胸焼けなどの症状があり、また、無自覚症状の場合もよく見られます。お酒の飲みすぎ、タバコの吸い過ぎ、食事の不摂生をしないようにしましょう。体力が中程度で腹部に膨満感がある人には平胃酸(へいいさん)など、虚弱で消化が悪く冷え症の人には安中散などを用います。
 大腸に慢性の炎症が生じて、びらんや潰瘍を形成する病気です。血便・粘液便・下痢・腹痛などの症状があり、完治することは少なく、難病に指定されています。このような難しい病気にも漢方が功を奏すケースがしばしば見られます。発熱、食欲不振、舌苔(ぜったい)などが見られる場合には小柴胡湯(しょうさいことう)などを、のぼせ症で頭痛、肩凝りがある場合には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などを用います。
 精神的な影響によって、腸管の運動異常や排便異常を起こす病気です。よく使うのは桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)など。下痢傾向の強い人には人参湯(にんじんとう)など。
 西洋医学の発達には目覚しいものがあります。一方、漢方の素晴らしい効果も見逃すことはできません。胃腸の病が長引くようなら漢方薬を試してみるとよいでしょう。