花粉症でくしゃみが止まらない

 毎年悩まされている花粉症の季節がやって来てしまいました。私は専ら鼻の症状で、特にくしゃみが止まらなくなります。薬を飲んでも治まらないことがあり、そんなときは薬を変えてしのいでいます。漢方薬の服用も考えているのですが…。(60歳・男性)
  (60歳・男性)
 私の薬局でも、この時期、くしゃみをしながらやって来るお客さんがたくさんいます。そして、いかにくしゃみや鼻水、鼻づまりが続いて家事や仕事が手に付かないかを訴え、漢方薬を所望していきます。ですから、この相談者の苦々しい様子も目に浮かぶようです。  花粉症はアレルギー疾患の一つ。スギなどのアレルギー物質が鼻や目の粘膜に付着すると、過剰な免疫反応によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が生じるのです。
 西洋医学では、点鼻薬や経口剤などの「薬物療法」、アレルゲン物質を少しずつ増やしながら体内に接種し、体に慣れさせていく「減感作療法」、鼻の粘膜をレーザー光線で焼いて鼻水や鼻づまりを抑える「レーザー治療」などがあります。
 一方、漢方では、花粉症という病名だけに対応する薬を考えるのでありません。もう少し広い、鼻アレルギーの症状に対応する漢方薬の中から、その人に適したものを選ぶことになります。  鼻アレルギーのアレルゲンには、花粉のほか、動物の毛、ハウスダスト、食べ物では卵、牛乳などがあります。花粉以外にもさまざまな原因で、くしゃみや鼻水が出るというわけです。
 そして漢方では、鼻アレルギーを「水」と「気」の病ととらえます。「水」とは、体液や組織液。「気」は絶えず体内を回り、代謝や血行、内臓機能を調整するもの。くしゃみは気に変調をきたしたもので、鼻水は水分の偏在ととらえます。したがって、気の変調を正し、水分の偏在を整える漢方薬を、その人の体質や症状に合わせて選ぶのです。
 代表的な漢方薬を紹介しましょう。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)最もよく使われる漢方薬。くしゃみや、水のような鼻水が多く出るときに。

清鼻湯(せいびとう)鼻づまり、鼻水が粘り出にくい、頭重、肩こりがあり、胃が弱くない人に。

紫朴湯(さいぼくとう)鼻汁のあまりひどくない人で、咽頭に異常感を覚える場合に。小児の喘息を伴う鼻アレルギーにも。

 花粉症の場合、漢方薬は、西洋薬の対症療法のような即効性が望めるケースばかりではありません。ただし副作用が少なく、長期使用もでき、体質改善効果が期待できます。西洋薬との併用も可能です。続けると、次第に西洋薬の必要性が減り、最終的には漢方薬も要らなくなるでしょう。