来月結婚する娘の体を丈夫にしたい

 娘が来月結婚します。元々体が弱く、月経痛で寝込むこともしばしばです。私自身が漢方で良くなった経験があるので、嫁入り前の娘に漢方を勧めようと思うのですが…。
(55歳・女性)
 ご結婚おめでとうございます。巣立つ娘の体を思う親心ですね。
 すでに漢方の効果をご存じとのことですが、確かに漢方は、女性特有のホルモンにかかわる症状によく効きます。
 妊娠・出産という大切な役割を果たす女性の体内では、生涯を通じてホルモンバランスが変化し続けるといってよく、また微妙に狂いやすいものです。
 月経不順、無月経、過少月経、過多月経、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、冷え性、不妊症、習慣性流産、妊娠悪阻、更年期障害など、さまざまな症状を引き起こします。
 漢方でよくいう「血の道症」とか「ふる血」「瘀血(おけつ)」などの「血」とは、血液とホルモン、その他の血液成分のことです。漢方ではこの血の乱れを上手に整える方法が工夫されてきました。
 月経不順の場合は、体質と症状に合わせて、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などを使い、ホルモンバランスを整えます。
 新婚旅行で多いのが、女性のぼうこう炎。結婚式や旅行の疲れが影響するのでしょう。こんなとき、猪苓湯(ちょれいとう)などを持っておき、おかしいなと思ったときに服用すると役に立ちます。
 漢方薬は、西洋薬と違って、妊娠中に飲んではいけないという原則はありません。むしろ胎児の発育と安産のために飲み続けることをお勧めします。
 つわりが激しいときには、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)などで抑えられます。妊娠中毒症のむくみには五苓散(ごれいさん)がよく用いられます。
 産後の子宮出血には、独参湯(どくじんとう)などを。産後の薬の代表は芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)などで、元気を取り戻す作用があります。
 不幸にしてなかなか妊娠しないご夫婦も、漢方薬を服用したらうれしい結果になったということがよくあります。はっきりとした不妊の原因が見つからなくても、漢方薬はよく奏功します。女性には、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸など、男性には八味丸(はちみがん)や十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)などを服用してもらいます。
 西洋医学のホルモン療法では苦手な微妙な調整も、的確な漢方薬を選用すれば難しいものではありません。少し我慢強く続けてみれば、だんだんと体調が良くなっていくのが分かるでしょう。