口が渇いて、困っています

 年をとったせいか、最近やたらと口が渇きます。乾燥のために、入れ歯が合いにくく、味も分かりにくくなった気がします。良い方法はあるでしょうか。(77歳・女性)
  (77歳・女性)
 口腔乾燥症、いわゆるドライマウスでお困りの方はわりとたくさんいると思います。その原因にはさまざまなものがあります。
 ドライマウスは大きく分けて、「だ液が減って口が渇くタイプ」と「体内の水分が減ってのどが渇くタイプ」の2つです。前者の原因には、老化、薬の副作用、唾液腺の病気、ストレス、更年期障害、シェーグレン症候群などが挙げられます。一方、後者の原因は、糖尿病が代表的です。尿が出すぎることで起こります。また、人工透析や口呼吸も原因となります。
 ドライマウスになると、虫歯や歯周病になりやすくなったり、舌の表面がひび割れて痛んだり、食事やおしゃべりがしにくくなったりもします。ドライマウスの方は、喫煙、飲酒を避け、ガムやあめでだ液を出すようにしましょう。口腔洗浄剤を使ったり、人口だ液を使うこともあります。
 西洋医学では、近年、ドライマウスへの注目が一気に高まりましたが、漢方医学では、古くから口の渇きを重視してきました。口の渇きがあるかどうかは、漢方処方を選ぶときの指標のひとつです。
 漢方では、「だ液が減って口が渇くタイプ」には実症(充実型)の人が多く、「体内の水分が減ってのどが渇くタイプ」には虚症(虚弱型)の人が多いと考えます。一般に口の渇きが激しいタイプには、石膏(せっこう)を用います。口の渇きが軽いものには人参、知母(ちも)、地黄(じおう)などの滋潤剤の入ったものを用います。
 それでは代表的な漢方薬を見ていきましょう。

五苓散(ごれいさん)小児の感冒や腎炎にもよく用いる処方。口の渇きが強く、嘔吐、下痢、頭痛、浮腫(ふしゅ)、腹痛、めまいを伴う人に。

猪苓湯(ちょれいとう)口が渇き、尿の量が少なく、出にくいという人に。脈は弱く、下腹部が膨らみ、舌は湿っている人に。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)発熱して口が渇き、水を飲みたがる人に。糖尿病、日射病、歯痛にもこの処方を用いることがある。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)体が虚弱で疲れやすく、胸の筋肉が薄く、口やのどが渇き、尿の回数は多い人に。小児の体質改善にも用いる。

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)動悸(き)があり、胸苦しく、休んでも疲れがとれず、のどが渇いて、皮膚が乾燥し、手足がほてるという人に。

 処方の選択については、専門家にお尋ねください。