メタボにも漢方薬?

 私はウエスト98㎝、高血圧、高血糖で、メタボリックシンドロームに当てはまります。食事制限や運動を頑張ろうと思うのですが、なかなか成果が出ません。メタボに効く漢方薬もあるのですか。
  (52歳・女性)
 いよいよこの4月から40歳~74歳の方を対象にした生活習慣病予防のための新健診「特定健康診査・特定保健指導」が始まりました。
 これは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目して、身長・体重・腹囲の測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行い、体の状態に応じて医師、保健師、管理栄養士らが指導し、糖尿病などの生活習慣病の発症や重症化を予防しようというものです。
 さまざまなメタボ対策の商品が販売されていますが、安易にやせようとしても、結局、良い結果につながらないでしょう。漢方療法を利用するにしても、食事療法・運動療法をおろそかにしては、十分な効果を得るに至りません。
 また、西洋医学では、肥満に対し、食欲抑制薬、消化吸収阻害薬、脂質代謝阻害薬など、いろいろな薬剤が使われていますが、効果のほどと副作用に問題がないとも言いきれないのです。
 漢方では、「食毒」「水毒」が肥満を起こすと考え、それぞれの人の体質に合った漢方処方をきちんと選べば、やせにくかった人も効果が得られやすくなります。
 では、実際の処方を見ていきましょう。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)実証で、体力が充実していて、いわゆる卒中タイプの人に。便秘がちで、太鼓腹が処方の目安。発汗、利尿、便通を促し、解毒する作用を有する漢方薬。やせ型の人には用いない。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)漢方の大書「金匱要略」に記載されている漢方薬。体力がなく、色白で筋肉が柔らかく、腹が出て、いわゆる水太り体質の人に。水毒があるため、浮腫(しゅ)や関節の腫れがあることが多い。虚症の人向けで、疲れやすく、足が冷えることが処方の目安。中年女性に用いることが多い。

大柴胡湯(だいさいことう)筋骨たくましく、脈に力があり、腹部が緊張している人に用いる。上腹部の痛みが重要な処方の目安。軟弱で力のない人や体力の衰えている人には投与を避ける。

 ただし、理屈ではやせるはずの防風通聖散を飲んだのに、体の調子が良くなり、食欲が出て短期的に太った、というケースもときにはあります。それでも、体に合えば、自然と体重が減ってくるものです。
 漢方では、肥満も一つの病気ととらえ、全身病状を総合して処方を選びます。正しく処方が選べれば、副作用もなくやせられ、体の調子も良くなります。