靴の中でムズムズし始めました

 十年来の水虫持ちです。冬場はおさまっていますが、この季節になるとかゆくなってきます。今年も、靴の中が蒸れてムズムズしてきました。漢方にも水虫の薬があるのか気になったので、教えてください
  (40歳・男性)
 水虫は、正式には白癬(はくせん)と言い、カビの一種である白癬菌が皮膚の一番外側にある角質層に寄生している状態です。
 足にできる「足白癬」が最もよく見られますが、足白癬が日本人に広まったのは、靴を履くようになってからといわれています。
 ほかにもさまざまな体の部位に白癬菌は住みつき、部位によって呼び方が異なります。手にできるのが「手白癬」、爪だと「爪白癬」、頭だと「シラクモ」、股にできると「インキンタムシ」、体にできるのが「タムシ」などなど。その症状も、赤くなって皮膚が破れ、かゆみが激しいものや、皮膚がガサガサに厚くなってひび割れたり、小さな水ぶくれがたくさんできたりといろいろです。
 水虫の治療でよく知られているのが、西洋薬の塗り薬ですが、グリセオフルビンなどの内服薬もあります。ところが、これらの方法でも完治せず、治療を中止すると再発することがあります。そのような人にはぜひ漢方薬を試してほしいと思います。
 漢方薬にもさまざまな処方があります。代表的なものを見ていきましょう。

消風散(しょうふうさん)患部に湿りや分泌物があり、かさぶたを伴っているもので、夏や暖かいときに悪化する場合に用います。また、かゆみの強い白癬にも適しています。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)炎症性で皮膚が赤くなり、浸出液の多い白癬に用います。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)皮膚の化膿を繰り返す傾向のある水虫などの体質改善に応用します。

治頭瘡一方(ちづそういっぽう)頭部、顔面などの白癬に用い、分泌物が多く、赤くかさぶたになる白癬に用います。

 このほかにも、乾燥性のものには麻杏ヨク甘湯(まきょうよくかんとう)、かゆみ、化膿傾向があるものに清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、また、乾燥性で冬場に悪化する白癬には、当帰飲子(とうきいんし)を用います。  漢方薬を効かせるのにまず大切なのは、症状と体質に合った漢方薬を選ぶこと。漢方の場合、一つの病名に一つの薬が対応しているのでなく、気血水、陰陽虚実などの考えに基づき、顔色や舌、脈、腹、口の渇きなどさまざまな要素を総合的に見て、その人に合った薬を選びます。漢方薬の専門家に選んでもらうほうが懸命です。