漢方薬は長く飲まなければ効きませんか

 漢方薬を試してみたいと思って夫に相談したところ、効果が出るまでに長期的に飲まなければいけないのではないかと言われました。どうなのでしょうか。
(46歳・女性)
 漢方は、効果が出るまでに時間がかかることもある一方で、すぐに効果が出ることもあります。しかし、多くの人が「漢方薬は長く飲まなければ効果が出ない」「効果のスピードが遅い」という固定観念を持っています。なぜ、そう思っている人が多いのでしょうか。
 ◆難治性の病気が多い漢方の力を借りようとする人の多くが、西洋医学で治りにくいからと漢方を頼ってきます。西洋医学の治療で「10年かかっているんです」という人が、漢方を試して「すぐに治らない」などと言うのでびっくりすることがあります。難治性の病気の多くは、西洋医学であれ漢方であれ、効果が出るまでにある程度の時間がかかるもの。劇的に良くなることもありますが、そんなファインプレーは、地道なプレーを続ける中でたまに出るものと考えてください。
 ◆漢方は体質改善を目指している 西洋医学による治療は「根本治療」もある一方で、「一時抑え」を続けることもあります。その一時抑えを「治った」と勘違いしている人がいます。注射や頓服(とんぷく)で痛みが和らいで「治った」と思っているのです。もちろん一時抑えの効果は素晴らしいものですが、症状を抑えているだけなので、病気そのものが治ったわけではありません。これに対し、漢方はその人の体質を改善し、根本的な解決を目指します。長い時間かけて出来上がった体質は、長い時間をかけなければ改善できないことが多くても不思議ではありません。
 ◆使用が適切でないことがある 江戸時代までに蓄積された漢方の知識やノウハウは、明治時代に途切れてしまいました。今、当時のような腕を持つ漢方の専門家は、少なくなっているのが現状です。漢方薬は適切に使ってこそ効果のスピードも上がるというもの。適切に使われていなければ、効果もなかなか出ないでしょう。
 ◆漢方にも不得意分野がある 漢方には得意分野も不得意分野もあります。それは西洋医学でも同じこと。効果のスピードがゆっくりなら、漢方の不得意分野の病気の可能性があります。
 また、症状は良くなっているのに、改善点には目を向けず、気になるところばかりを挙げ連ねて「治らない」と言っているネガティブ思考の人もいます。そういう人は自分でチャンスを逃していることが多いようです。状態について客観的に捉える癖をつけ、改善点にも目を向けるようにしてほしいもの。人によっても病気によっても服用期間が異なるのは当然のことです。