子宮内膜症で悩んでいます

 20歳のころに月経痛がひどく、子宮内膜症と診断されました。ホルモン療法を受けていったん治っていましたが、最近再発しました。このままでは、自分が苦しいばかりか、将来、子供ができないのではと不安です。
(28歳・女性)
 子宮内膜とは、子宮の内側を覆う粘膜組織で、卵が着床しなければ、毎月月経としてはがれ落ち、出血し、体外に排出されます。
 ところが、子宮内膜症では、子宮以外の場所(卵巣、腹膜、直腸、膀胱など)でこの粘膜組織が増殖しています。子宮以外の場所で、粘膜がはがれ、出血し、これらが体外に排出されずに体内にたまることで、さまざまな障害が生じるというわけです。強い月経痛、骨盤痛、性交痛、不妊などの原因となり、発病年齢は主に20~35歳で、最近は10代にも増え、若年齢化が進んでいるといわれています。
 西洋医学では、ホルモン療法を用いて、女性ホルモンの分泌を抑え、病巣を小さくする方法が取られます。しかし、治療をやめると再発しやすいことも知られています。
 一方、漢方では、体質や症状の変調を総合的にとらえ、それを改善する処方を用いることから、比較的再発の頻度が少ないといえるのです。
 漢方の基本的な考え方は、西洋医学と違って〝子宮内膜症の原因は瘀血(おけつ:オは、やまいだれに於)〟というものです。瘀血とは、一般的にいう〝ふる血〟の考え方に近く、単純に血液の循環障害を指すこともありますが、この場合は主にホルモンの微妙なバランスの崩れです。
 ではどうやって瘀血を改善するのか、具体的な処方をみてみましょう。

桃核承気湯(とうかくしょうきとう)子宮内膜症の代表的な漢方です。桃仁(とうにん)、大黄(だいおう)、甘草(かんぞう)、芒硝(ぼうしょう)、桂枝(けいし)という薬草の組み合わせから作られます。体力が充実し、のぼせや便秘があって月経痛が強い人に用います。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)桂枝、茯苓、芍薬(しゃくやく)、桃仁、牡丹皮(ぼたんぴ)からなり、月経痛などの症状が前者よりも軽く、便秘のない人に用います。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)当帰、芍薬、川芎(せんきゅう)、茯苓、白朮(びゃくじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)の組み合わせで作られ、疲れやすくて冷え性、貧血症があり、体があまり丈夫でない人に適します。

加味逍遥散(かみしょうようさん)不定愁訴(しゅうそ)が多く、繊細で物事にこだわりやすく、疲れやすい人の月経痛に用います。

 子宮内膜症に用いる漢方は、これらのほかにもまだまだあり、各人に合った漢方を選ぶことが大切です。