夏バテに効果のある漢方は?

 暑さで体力が低下しています。日常生活ではどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。また、夏バテに効果のある漢方薬はありますか。
(38歳・女性)
 今年の7月は、35度前後の猛暑日が続いたため、食欲が減退し、疲れ気味という人が多いようです。こう暑いと、冷えた飲み物やアイスクリームにばかり手が伸びてしまいがちですね。
 しかし、江戸時代の名医・浅井貞庵先生の著書「方彙口訣」(ほういくけつ)には、「夜は寝冷えなどで夜陰の気を受けやすく、また、暑さに苦しんで生ものや冷や水などを飲み食いするゆえに、体の中は冷飲食に破られる」とあり、冷蔵庫や扇風機のない時代にもかかわらず、夏の冷えに注意を呼び掛けています。体を冷やしやすい現代では、なおさら注意が必要でしょう。もちろん、猛暑日にもやせがまんをしてエアコンを付けず、熱中症になっては元も子もありませんが、エアコンの温度差を大きくし過ぎず、体を冷やすものばかりを飲食しないように気を付けたいものです。
 今回は、夏バテや夏やせを回復する漢方薬を2つ紹介します。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)清暑益気湯という名前の漢方処方には2種類あり、「医学六要」(いがくりくよう)と「内外傷弁惑論」(ないがいしょうべんわくろん)という書物に載っている処方があります。現在よく使われているのは、「医学六要」の処方です。一方、「内外傷弁惑論」の処方は、胃の働きを補う力が強く、これに近づけようと思うなら、「医学六要」の清暑益気湯と半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)を一緒に飲むとよいでしょう。

牛黄(ごおう)夏バテで弱った体力を補う〝特効薬〟の一つに、牛黄があります。牛黄とは牛の胆石のこと。実は、人間と同じように牛にも胆石症があり、その牛にできた胆石を取り出して薬にしたものです。牛の胆石症の数は少なく、3000頭の中で1、2頭ともいわれ、牛黄は昔から希少価値の高い漢方薬として利用されていました。最近では、鎮静、強心、造血作用などのほか、感染症などの熱性疾患による高熱、意識障害、小児のかん、大人の狭心症など、さまざまな症状に有効という研究が進められています。子どもの薬の「奇応丸」「救命丸」、心臓の薬の「六神丸」「救心」など、日本の古くからの家庭薬にも使われてきました。日本では、牛黄の大半をオーストラリアなどの畜産国から輸入し、品質の良し悪しが効き目に大きく影響するため、良質のものを選ぶことが大切です。