乳腺炎を患っているのですが…

 第1子が3カ月前に生まれました。毎日が喜びと驚きの連続ですが、乳腺炎で困っています。時には熱っぽく、歩くと振動がおっぱいに響いて痛むことがあります。良い方法はありませんか。
(33歳・女性)
 それは大変ですね。乳腺炎を患っているときの母乳はまずく、飲みたがらない赤ちゃんも多くいるといいます。
 乳腺炎にかかる日本人女性は4人に1人くらいですが、その原因はいろいろ。急性のものと慢性のものがあり、急性の乳腺炎は2種類に大別できます。
 「急性うっ滞性乳腺炎」は、赤ちゃんがおっぱいを飲まない、または飲む量が少ないなどの理由で、乳腺内におっぱいがたまって、乳房が張り、熱っぽくなる症状です。これにはおっぱいを飲ませることが一番で、それが十分できなければ、搾乳します。初産の人に多く見られます。
 「急性化膿性乳腺炎」は、授乳時に赤ちゃんの歯で乳首に傷が付き、そこからブドウ球菌などの細菌が感染して、乳腺に炎症を起こすもの。高熱、悪寒、ワキのリンパ節の腫れなど、かなり激しい症状を起こします。外科で切開し、膿(うみ)を出す治療も行われます。
 そしてこれらの治療が不十分だと、「慢性乳腺炎」へと移行していきます。
 これらの乳腺炎に対して漢方は有効なことが多く、特に急性うっ滞性乳腺炎の初期段階では大きな効果が期待できます。
 乳腺炎の漢方として最も知られているのは、葛根湯(かっこんとう)です。さらには、悪寒、発熱、頭痛、首筋・背筋のこわばり、肩凝り、汗、患部の膨張などの症状と、その人の体質に合わせて、適切な漢方を選びます。
 それでは、具体的な処方を見てみましょう。

葛根湯(かっこんとう)急性うっ滞性乳腺炎の症状に特に有効です。また、化膿性乳腺炎の場合も発病初期であれば、悪寒、発熱、患部の腫れ、肩凝り、筋のこわばりなどの解消を目標にこの処方が使われます。

小柴胡湯(しょうさいことう)葛根湯を処方した後、やや熱が下がったものの、口の渇き、食欲不振などがある場合に用います。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)化膿性乳腺炎の初期症状の段階で用いると、小柴胡湯より効果が期待できます。

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)体力が充実し、瘀血(おけつ)があり、患部の腫れ、疼(とう)痛が強いときに処方します。また、便秘のあるときにもこの処方がいいでしょう。

排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)慢性乳腺炎の場合に有効です。特に膿痕があるが排膿しない場合、排膿を促進する効果が期待できます。