娘が乳腺炎で困っています

 娘が初めてのお産をし、かわいらしい女の赤ちゃんが生まれました。喜びは計り知れないのですが、すぐに娘が乳腺炎となり、乳房が痛み困っています。(56歳・女性)
  (56歳・女性)
 母乳による育児の大切さがうたわれていますが、お乳をあげたくても、痛くてあげられないのが乳腺炎のつらいところです。
 急性乳腺炎は、なんらかの原因で乳腺が炎症を起こし、乳房が腫れ、痛みや発熱が生じる症状。
 「急性うっ滞性乳腺炎」は、初産の人に多く、出産2、3日後から見られます。赤ちゃんのお乳を吸う力が弱かったり、乳管の開きが十分でないことなどから、乳腺が詰まって、起きる炎症です。これには乳房をマッサージし、乳汁を出し切るなどの対処がなされます。
 「急性化膿性乳腺炎」は、授乳を始めて数週間で発生。乳頭の傷からブドウ球菌などの細菌が侵入し、起きる炎症です。この場合、西洋医学では、消炎鎮痛剤や抗生物質で炎症を鎮め、膿瘍ができている場合は、切開をすることもあります。赤ちゃんへの授乳はストップします。
 さて漢方では、症状・体質に合った薬を選用します。乳腺炎にもいろいろなケースがありますが、抗生物質などで簡単に治まることばかりではありません。西洋医学を中心とした対応で効果が期待しにくいケースに、漢方薬を試してみるとよいでしょう。
 乳腺炎初期に最もよく用いられるのが葛根湯(かっこんとう)。次いで、小柴胡湯(しょうさいことう)や十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などです。では、乳腺炎に用いられる代表的な漢方薬を見ていきましょう。

葛根湯(かっこんとう)うっ滞性乳腺炎の症状に特に有効。化膿性乳腺炎の場合も、発病初期であれば、悪寒、発熱、患部の腫れ、肩こり、筋のこわばりなどの解消を目標に用いられる。

小柴胡湯(しょうさいことう)葛根湯を処方した後、やや熱が下がったものの、口の渇き、食欲不振などがある場合に。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)化膿性乳腺炎の初期症状のあるときに用いると、小柴胡湯より効果が期待できる。

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)体力が充実し、元気のあるうちで、瘀血(おけつ)があり、患部が腫れ、疼痛が強いときに。

 漢方薬にも得意分野とそうでない分野がありますが、女性の病気については、不思議と、非常に良い結果が期待できるものがたくさんあります。月経痛、月経不順、貧血、子宮筋腫、不妊症、冷え性、シミ、肌荒れなど、気になる方は一度試してみてください。ご自分の体質と症状に合った薬を選ぶことができれば、2~3カ月もすれば改善傾向が見られるはずです。