咳が長引いて困っています

 風邪がずるずると治らず、いつまでも咳(せき)が続いています。薬も飲んでいますが、薬に慣れてしまったのか効果は今ひとつ。漢方薬を試してみたいのですが。
(41歳・男性)
 12月もいよいよ下旬です。忙しさで疲れ、寒さ、乾燥もあって、今は風邪を引きやすい時季です。風邪を引いても無理をして仕事をし、体を休めずにいる働き盛りの男性なら、なかなか風邪が治らないというのもよくある話ですね。
  乾いた咳、痰(たん)が絡む咳、寝床にふすと止まらない咳、血が混じる咳…と咳にもいろいろ。咳は、気道内に生じた分泌物や異物を排除しようとする体の生理的反射機能です。
 その原因としては、急性気管支炎、気管支喘息(ぜんそく)、感冒、インフルエンザ、慢性気管支炎、肺結核、気管支拡張症など、さまざまなケースが考えられます。最近は咳を伴う疾患がますます多岐にわたっています。
 さて、漢方医学では、咳について、「外感」によるものと「内傷」によるものの2つに分けて考えます。外感によるものとは、いわゆる感染症であり、内傷によるものとは、体内の異常や疾患から生じるものです。
 つまり、漢方でいう外感による咳とは、風寒の咳、風熱の咳、熱性・燥性の咳、暑湿・寒湿の咳、肺膿症の咳などに分けられます。
 内傷による咳とは、体内の余剰水分による咳、消化器系・呼吸器系機能の衰退による咳などに分けられます。
 西洋薬の抗生物質、鎮咳剤などと漢方薬を併用することで、効果が相乗できたり、治療が短期間で済む場合もありますので、試してみるとよいでしょう。
 咳に使われる代表的な漢方薬には次のようなものがあります。

麻黄湯(まおうとう)風寒の咳があり、悪寒のある初期症状に。汗を伴う悪寒や熱感型には用いない。

桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)風寒の咳で、痰、喘鳴(ぜんめい)があるときに。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)風寒の咳で、悪寒がし、寒気が強いときに。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)寒湿の咳、痰に用い、喘鳴を伴う場合に。熱性の咳には用いない。

神秘湯(しんぴとう)咳や喘鳴で眠れないときに。喘息も適する。

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)寒湿の咳、湿痰に用いる。薄い痰が多量に出る人に。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)咳、痰、微熱が長く続く場合に。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)汗が多く動悸(き)を伴う場合に。