寄る年波で、神経痛仲間が増加

 年をとるうちに、神経痛の悩みを語り合う友が増えました。寒いと痛むので、早く春にならないかとも話し合うのですが、何よりも、根本的にこの痛みから解放されないでしょうか。
  (77歳・女性)
 神経痛とは、なんらかの原因で末梢神経に刺激を受けて、痛みを感じる症状の総称です。発生する部位によって、坐骨神経痛、上腕神経痛、三叉神経痛などさまざまな名称があり、かつ、それぞれの神経痛を引き起こす原因も多様です。
 坐骨神経痛は、神経痛の中でも最も多発する症状です。坐骨神経は、最大の抹消神経であり、椎間板ヘルニアなどによって圧迫されることで、腰、臀(でん)部、太ももの後ろ側、ふくらはぎ、くるぶしにかけて、ピリピリと響くような、または突き刺すような痛みが生じます。
 上腕神経痛は、神経根または神経幹が圧迫されたり、神経炎が生じることで起こるものです。肩から上腕、手にかけて、鋭い痛みや焼け付くような痛み、電撃痛などが発生します。その原因には、変形性頸椎(けいつい)症、頸部椎間板ヘルニア、悪性腫瘍、ヘルペスウイルスなどがあります。
 三叉神経痛は、突き刺すような、または焼け付くような痛みが、顔面に起こるものです。これは、血管などによって三叉神経が圧迫されるためであることが注目されていてヘルペス、脳梗塞などによる場合もあります。
 一方、漢方には、本来、神経痛という病名はありません。処方の際は、「胸痛」「脇痛」「腰痛」「中風」「痛風」などといった項目に当てはめて考えます。また、神経痛は、漢方でいうところの「風の邪」「寒の邪」「湿の邪」によるところが多く、気血の停滞をまねいて痛みが生じると考えます。それでは、処方を少し紹介します。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)瘀血を取り去る薬。打撲が原因の神経痛や、婦人科的疾患に続発する坐骨神経痛、瘀血の症状が見られる坐骨神経痛などに。体力があり、のぼせ気味の人に用いる。

葛根湯(かっこんとう)三叉神経痛、上腕神経痛、肋間神経痛などの初期に。脈に力があり、筋肉に緊張がある人に。冷えて痛みが長引く人には桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を用いる。

五積散(ごしゃくさん)気、血、痰(たん)、寒、食の5病毒を除去する薬。冷え性で、慢性的な坐骨神経痛、肋間神経痛に。

 神経痛がなかなかよくならず、あきらめかけている人は、ぜひ一度お試しください。