子どもの視力が落ちてきました

 小学5年生の子どものことで相談です。もともとは視力が良かったのに、だんだんと下がり、今では、両眼とも0・6です。両親は目は悪くないので、ゲームや勉強で近くを見ることが多いからだと思います。視力低下に良い漢方薬はありますか。
  (39歳・女性)
 昔に比べて今は視力が弱い子どもの割合がずいぶん増えました。昔は外で遊んだり、勉強も今ほど熱心ではありませんでしたが、現代は家の中でゲーム機で遊び、塾で机にかじりついて、どうしても目を酷使する環境です。
 近くをずっと凝視して、一時的に視力が落ちてしまう症状は、仮性近視、または偽近視、調節緊張性近視などと呼ばれています。
 この仮性近視が続くと真性近視に進行するとよく耳にしますが、実はそのメカニズムはよく分かっていません。
 ただ、いったん真性近視になってしまえば、自然に視力を回復をすることは難しく、できることなら眼鏡やコンタクトレンズが手放せなくなる前に、視力低下を防ぎたいものです。
 西洋医学では、仮性近視に対し、点眼薬を使って目の調節を休ませたり、望遠トレーニング、超音波や低周波による回復を試みます。また、世間では、視力回復マスクや目に良いとされる健康食品も多数販売されています。
 漢方の世界では、仮性近視が水毒と関係することが多いとも考えられ、長い歴史の中でさまざまな漢方薬が処方されてきました。それでは代表的な漢方薬を紹介しましょう。

五苓散(ごれいさん)胃の中や体腔内に水分の停滞があり、口の渇き、嘔吐(おうと)、頭痛、めまいの症状などがある人に。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)虚証で水毒があり、起立性のめまい、息切れ、頭痛、足の冷え、胃の中に停水がなどがある人に。

小柴胡湯(しょうさいことう)食欲不振、首のこり、疲れやすい、などの症状を訴える人に。肝炎がある人にも使用。

四逆散(しぎゃくさん)腹部全体に緊張があり、神経性の愁訴を訴える人に。冷えがあり、胃腸障害がある場合も多い。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)虚弱体質で疲労しやすく、動悸(き)、手足のほてり、口の渇きなどがある人に。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)虚証の度合いが強く、貧血性で、息切れ、口の渇き、脈も弱い人に。

 視力の低下を防ぐには、背筋を伸ばして正しい姿勢で座り、部屋の明るさにも気をつけてください。時々遠くを見て目を休めたり、バランスのとれた食事も大切な要素です。