変形性膝関節症で膝が痛む

 朝起きると膝が痛みます。病院で診てもらうと、変形性膝関節症だといわれました。私の母もまたこの病気で苦労したので、ああ、私もついになったか、という悲しい気持ちです。鎮痛剤を服用していますが、漢方薬も頼りになるでしょうか。
  (58歳・女性)
 変形性膝関節症は、中年以上の女性にとても多い疾患です。
 膝関節の軟骨がすり減ったり、変形したりして、関節に炎症が生じ、痛みが生じるものであり、その原因には、肥満、筋肉の衰え、加齢、膝に無理な負担がかかる運動、O脚などがあります。最初のうちは少し養生するだけで比較的簡単に痛みは治まりますが、繰り返すうちにだんだんと治りにくくなります。
 私のところにも、変形性膝関節症をわずらってやって来る中年女性がたくさんいます。私自身も、多くのお客さんを見てきた結果、軽症の場合だけでなく、比較的重症の場合にも漢方薬が奏功することを実感しています。
 さて、漢方薬では、変形性膝関節症によく使われる代表的なものとして「防巳黄耆湯(ぼういおうぎとう)」があります。中国の後漢の書「金匱要略(きんきようりゃく)」に記されていて、2000年以上にわたって利用され続けている薬です。
 防巳黄耆湯は、防巳、甘草、朮(じゅつ)、黄耆、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)という比較的簡単な組み合わせの薬ですが、その歴史から考えても分かるように、効果と安全性の高さに定評があるといってもいいでしょう。  この薬は、色白、水太り、汗かきの人に使うことが多く、薬が合えば、1、2週間で膝の具合が変わってきます。もし、変化がなければ、薬を変えて服用してみることになります。
 そのほかの代表的な漢方薬を見てみましょう。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)熱感がある関節炎に用いる。ただし生薬の一つに麻黄が入るため、老人や虚弱者には強い薬なので、要注意。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)外傷後に膝関節痛や膨張が増悪したものに。

四物湯(しもつとう)膝の軽度の熱間が残存して痛む場合に。

六味丸(ろくみがん)変形性膝関節症のほか、耳鳴り、口の渇き、腰痛や下肢倦怠感がある人に。

 漢方薬は、その人の体質と症状に合わせて選ぶものであって、変形性膝関節症なら誰でも防巳黄耆湯を飲んでおけば良いというものではありません。
 また、熟練した漢方薬の専門家ほど、どの薬がその人に合うかを最初から見抜けるものです。
 漢方薬の品質にもかなりの幅があります。それによって効き具合もずいぶんと異なります。