アルコール性肝炎に良い小柴胡湯とは

 長年晩酌を続けてきたのですが、疲れが取れにくいことが気になって、病院へ行くと「アルコール性肝炎」と診察されました。肝炎には、漢方薬の小柴胡湯(しょうさいことう)が良いと聞いたのですが、どんな漢方薬ですか。
(59歳・男性)
 肝炎とは、肝臓が何らかの原因で炎症を起こしている状態です。
通常、肝炎といえば、ウイルス性肝炎を示し、日本ではA型、B型、C型が多く見られます。このほか、薬の副作用で起こる薬剤性肝炎や、お酒の飲みすぎによるアルコール性肝炎があります。
 アルコール性肝炎は、5年間60gのアルコール(日本酒3合またはビール大瓶3本に相当)を毎日飲むと発症の危険度が高くなるといわれ、また、男性より女性の方が少ない量のアルコールで発病しやすいようです。
 研究者によっては、肝炎が悪化する前に、全身がだるい、疲れやすい、食欲がないなどの前肝症候群(潜在性肝障害)という、血液検査などでは分からない軽度の肝障害を見逃さないことが大切だと説く人もいます。自覚症状だけのため、つい放置してしまいがちなのですが、この状態が進むと肝炎になるというわけです。
 お尋ねの通り、肝炎に良いとされる代表的な漢方薬に「小柴胡湯」があり、最近では、西洋医学の治療現場でもよく取り入られるようになっています。柴胡、半夏(はんげ)、黄ゴン(おうごん)、大棗(たいそう)、人参、甘草、生姜の7種類の生薬から成っています。
 また、小柴胡湯をはじめ、肝炎に効果的な漢方薬はたくさんあります。次に挙げましたので、ご覧ください。

大柴胡湯(だいさいことう)肥満または筋肉質で体力があり、便秘気味。

小柴胡湯(しょうさいことう)中程度の体力で、食欲不振、口が苦いなど。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)やや虚弱で、腹直筋に緊張があり、神経質。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)虚弱体質で疲れやすく、食欲不振。

加味逍遥散(かみしょうようさん)疲れやすく種々の神経症状を伴う。

茵陳蒿湯(いんちんこうとう)黄疸、口が渇く、便秘気味で小便が少ない。

茵陳五苓散(いんちんごれいさん)茵陳蒿湯よりも軽度な場合。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)虚弱体質で疲れやすくて、小便の回数が多い。

人参湯(にんじんとう)胃腸が弱く食欲不振。

 以前、小柴胡湯の服用による肝障害が報告されたことがあります。副作用は体質・症状に合っていない薬を飲むことで起こるものです。ご自分に合った漢方薬を飲むためには、専門家に相談した方が賢明です。