低血圧でフラフラします

 血圧が低く、朝、なかなか起きられません。午前中はテンションが低く、少しフラフラしながら仕事に出掛けています。低血圧に効く漢方薬はありますか。
(25歳・女性)
 低血圧によって、疲れやすい、体がだるい、めまいやたちくらみが起きるなど不快な症状が出るものを低血圧症といいます。そのほとんどが、原因がはっきりしない「本態性低血圧症」といわれています。
 虚弱体質の人に多い低血圧症は、漢方が得意とする分野の一つです。低血圧症の症状には〝補剤〟を使います。
 補剤を説明するために、漢方の考え方である「虚証は補う」「実証には瀉(しゃ)す」について話しましょう。
 普段からあまり元気がない、疲れやすい、胃腸が弱い、風邪を引きやすいなど体の弱い人に対して体の不足を補い、体力を充実させるのが補剤です。病気になって体力が落ち、食欲がない、体に力が入らないような人にも使いますし、年をとって体力が落ちた高齢者にも使います。そして、漢方にはこの〝補剤〟が数多くあります。
 逆に、普段から体力があり過ぎて症状が出る人、体力がなくても症状が激しい人に対しては、体にとって過剰なものを取り去る〝瀉剤(しゃざい)〟を使います。発汗したり、吐かせたり、下したりすることによって、過剰なものを体の外に出すのです。
 このように漢方薬を大きく分けると補剤と瀉剤があります。もちろん中間的な働きをするものもたくさんありますが…。
 現在では、瀉剤が対応する病気や症状には、西洋医学が効果的なものが多い一方で、補剤は西洋医学で対応が難しい病気にも効果を発揮することがよくあります。
 虚弱傾向の人が増えているこのごろでは、補剤の役割がますます大きくなっているといえます。
 話を低血圧症に戻しましょう。低血圧症には、補剤の一つ、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」がよく使われます。高麗人参(こうらいにんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、黄耆(おうぎ)、当帰(とうき)、陳皮(ちんぴ)、大棗(たいそう)、柴胡(さいこ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、升麻(しょうま)の10種類の生薬から構成される漢方薬です。
 そのほか、六君子湯(りっくんしとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、八味丸(はちみがん)、牛黄(ごおう)などのほか、夏バテの症状に使うことの多い清暑益気湯(せいしょえっきとう)が夏に限らず適する人もあります。
 適切な漢方薬を続けて飲むと、低血圧によって起こる不快な症状が次第に軽減されていきます。疲れにくくなり、体力や気力も充実していくことでしょう。専門家によく相談し、適切な漢方薬を試してみてください。