冷えが体にこもり、低体温です

 勤務先のエアコンが体を直撃。ひざから下が冷え切って、お風呂に入っても冷えが取れません。体温は35度5分しかありません。
(28歳・女性)
 最近は、体が氷のように冷たい人や、冷えているのに冷えを感じていない人などが多くなっているように感じます。統計を取ったわけではありませんが、薬局に来られる方々の話を聞いていると、体温が36度以下の低体温の人も増えているようです。
 体の冷えや低体温は、西洋医学では病気とみなされず、研究も進んでいません。一方、漢方では、冷えは体のさまざまな不調につながっているとして重視しています。
 体に冷えがこもっている人は、特に夏の過ごし方に注意が必要です。
 古典では、夏の過ごし方について記したものが数多く見られます。香月牛山(かつきぎゅうざん)先生の「牛山活套(かっとう)」には次のようなくだりがあります。「夏は、マクワウリ、スイカ、冷たい麺類を過食し、冷えた部屋で涼むなど、体の内からも外からも冷やすことで患う。(略)夜が深まるまで軒下で涼み、冷たい酒を飲んでそのまま寝てしまうと、寝冷えをして患う」。そして、その場合は六君子湯(りっくんしとう)を基本とした薬が功を奏すと書いてあります。
 また、本間棗軒(ほんまそうけん)先生の「内科秘録」には、「夏の暑いときの養生で一番大切なのは、寝冷えをしないようにすることである。寝るときには、具足腹掛(はらかけ)のように、そして甲(よろい)の胴(どう)のように製し、中に綿を入れて用い、その上にも綿衣を載せる。私も家人もこの方法を実践して世間の人にも勧めている」とあります。つまり、夏の寝冷えは大敵であり、寝具に気を付けるべきだというのです。
 このように「暑い時期だからこそ冷えに注意しなければならない」という先人の教えは、現代にもそのまま通用すること。夏にどう過ごすかで、その後の体の状態にも影響があるといえます。
 とはいえ、相談者のように勤務先でエアコンがついている場合は、環境を変えるのは難しいでしょう。せめて冷たいものや生ものを過度に摂取するのは避け、寝るときに体を冷やさないように気を付けてください。
 低体温の人の漢方薬を整える漢方薬には、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、人参(にんじん)など体を温める生薬(しょうやく)が配合されています。適切な漢方薬を飲めば、体調が整っていき、低体温も改善されていくものです。
 どの漢方薬が適するかは、その人のそのときの状態、症状などによって変わってきます。専門家とよく相談しましょう。