主人の痛風を漢方で改善したい

 主人が痛風になりました。以前から尿酸値が高く、お酒や肉類を控えるようにと医師から言われていたのですが、ついに発病してしまったというわけです。痛みはいったん治まってもまた繰り返すと聞きます。良い養生方法を探しているのですが…。
(39歳・女性)
 多くの方がご存じの通り、「ぜいたく病」と呼ばれる痛風。古くは、アレキサンダー大王、ルイ14世、フビライ、ダーウィン、ニュートン、ルターなど世界の王侯貴族や著名人がかかり、「帝王病」ともいわれました。
 ところが、戦前までの日本では痛風患者はごくわずかだったようで、食生活の欧米化が患者急増の理由に挙げられます。
 痛風の原因は、体内に尿酸が増加すること。ビール、肉類などの食品に多く含まれるプリン体の摂取のし過ぎや、体内の尿酸の排泄障害などが理由に挙げられます。
 過剰な尿酸は結晶となって足の親指や股関節などにたまります。そこで炎症を起こし、〝風に当たるだけでも痛い〟といわれるほどの激しい痛みを生じさせるのです。
 また痛風は、高尿酸値が何年か続いた後に発生するケースが多く、発症してからも放置していると、腎障害や尿路結石などの合併症を引き起こします。高尿酸血症は、きちんと治療しないと慢性化するので要注意です。
 西洋医学の痛風に対する治療は大きく2つに分けられます。
 一つは、発作時の痛みの対症療法で、特効薬のコルヒチンや消炎鎮痛剤などで関節炎を抑えるというもの。もう一つは、原因療法で、尿酸排池剤や尿酸生成阻害剤によって体内の過剰な尿酸を減らすものです。ただしこれらは、胃腸障害などの副作用が報告されたこともあります。
 一方、漢方は、激痛が生じたときには、あまり強い効果がありません。しかし痛みが長く続くときや、発作を繰り返す人には喜ばれることが多いものです。痛風の発作を繰り返さない体の状態に近づける効果が漢方の特長の一つです。
 では、痛風の体質の人に使う代表的な漢方処方をみてましょう。

大柴胡湯(だいさいことう)栄養の良い肥満型の人で、美食や酒が過ぎてぜい肉がついている人に用います。桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などを合方して用いることも多いようです。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)やはり肥満型で、へそを中心にでっぷりと太った重役タイプの痛風に用います。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)発作時の鎮痛療法に用います。平素から飲んでいると発作の予防にもなります。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)世界で初めて全身麻酔による乳がん手術をしたことで有名な華岡青洲が創作した処方です。各種皮膚病の体質改善を目的としてよく使われます。

当帰飲子(とうきいんし)貧血や虚弱体質の人の乾燥性皮膚疾患に使われる薬です。特に高齢者に多い皮膚そう痒症によく効果を表します。

 痛風には食養生が重要です。もう一つ大事なのは運動です。軽い運動にし、激しすぎるものは避けるようにしましょう。