主人が痛風で悩んでいます

 長年、主人が痛風を患っています。年末年始の忘・新年会などではあまり飲まないようにと私から頼み、本人もそうするつもりでも、いったん宴会の席に着いてしまうと、お酒の量が進むようです。痛風に良い漢方薬はありますか。
  (49歳・女性)
 私もお酒はよく飲むほうで、相談者のご主人の気持ちも分からないでもありません。しかし、酒は百薬の長とは言え、飲みすぎは、人体にさまざまな悪影響を与えます。
 痛風を引き起こしやすいお酒は、ビール、日本酒などの醸造酒。これらに含まれるプリン体が、痛風に関係しています。また、ほかの食品では、レバー、白子、ステーキなどにも多くプリン体が含まれ、おいしいものが多いことから、痛風が「ぜいたく病」といわれるゆえんです。
 プリン体が体内に入ると代謝されて尿酸が生じ、血中の尿酸が増えすぎると、尿酸塩として結晶化し、関節の内面に沈着します。この尿酸塩を血中の白血球が攻撃することが、痛風発作の痛みの正体です。発作は足の親指の付け根などで起こることが多く、発作を繰り返していると次第に足首や膝まで腫れ上がります。さらに進行すれば、腎臓など内臓にも障害が生じます。
 一方、女性は男性に比べて痛風の発症率が低く、男性患者100人に対し、女性患者2人程度の割合。これは、女性ホルモンが尿酸値の上昇を抑える働きがあるためで、閉経後は女性ホルモン量が低下するため、愛飲家の女性は注意が必要です。
 漢方療法では、発作を繰り返すよう慢性化した痛風に奏功することが多く、発作を一時的に抑えるだけでなく、体質改善を目的として用いられます。
 それでは代表的な漢方薬を見ていきましょう。

大柴胡湯(だいさいことう)栄養の良い肥満型の人で、美食や酒が過ぎてぜい肉がついている人に用います。桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などを合方して用いることも多いようです。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)やはり肥満型で、へそを中心にでっぷりと太った重役タイプの痛風に使います。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)発作時の鎮痛療法に用います。また、平素から飲んでいると発作予防にもなります。

 しかし、いかに正しく漢方薬を服用したとしても、食養生をせずしての効果は期待できません。特に尿酸の元になるプリン体を多く含む食品は控えなければなりません。美食、多食を避けることが肝心です。ご主人と、ご主人の健康のカギを握る台所をつかさどる相談者の二人三脚の努力があれば、完治の結実も遠くはないでしょう。