夜間頻尿を改善できますか

 以前は、一晩に1回起きてトイレに行く程度だったのですが、最近では2回起きるようになってきました。ぐっすり眠れないので疲れも取れません。漢方薬でなんとかなりませんか。
(69歳・女性)

 寝ついてから目が覚めるまでの間に、起きてトイレに行くような症状が続くようであれば夜間頻尿です。
 夜間頻尿の大きな原因は加齢によるもの。膀胱(ぼうこう)の容量が減り、たくさんの量をためられなくなる自然現象です。また、本来、おしっこは日中に多く作られるものなのですが、年を取るに従い、夜間に作られる量が増えてしまうようです。
 加齢とは関係なく、尿量そのものが増えている人もいます。これは、糖尿病、心不全、腎不全などの病気が原因となっていることがあります。
 また、水分を取ると血液がサラサラになるといわれて、寝る前にたくさん水分を取っている人もいます。そういう方は寝る前に水分を控えるようにしましょう。
 このようにいろいろな原因がありますが、漢方の考え方でいうと、体内の水分代謝を取り仕切っている「腎」が弱って夜間頻尿が起きると考えます。
 そこで腎の働きを高める漢方薬が選ばれることになります。さまざまな薬がありますが、ここでは手軽に用いられる薬を紹介しましょう。

八味丸(はちみがん) 冷えの強い人の夜間頻尿や排尿障害によく使われる代表的な漢方薬。八味地黄(じおう)丸とも呼ばれ、地黄、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、桂枝(けいし)、附子(ぶし)の8種類の生薬(しょうやく)を使っています
六味丸(ろくみがん) 八味丸から附子と桂枝を減らして6種類の生薬を組み合わせた処方。八味丸を使うほど冷えが強くない人、冷えの自覚がない人、足がほてるような人に
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) 八味丸に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)を加えた処方。八味丸を使いたいような人で、腰痛、尿量減少、残尿感などがある人にも使われます

 熟睡していないために目が覚めやすく、そのせいでトイレに行っているのに、 トイレのせいで眠れないと錯覚している人もいます。自分の眠りが浅いという自覚がありません。こういう人には、先ほど紹介した夜間頻尿の薬ではなく、酸棗仁湯(さんそうにんとう)など眠れる薬によって効果が得られるはずです。また、認知症で夜起きてトイレに何度も行く人の場合は、認知症に効果のある薬が用いられます。
 一口に夜間頻尿といっても、症状や状態によって薬は異なります。よく相談しましょう。