体に良い薬用酒について知りたい

 祖母が昔、生薬を漬け込んだ市販のお酒をおちょこに毎日1杯飲んでいたのを思い出しました。私も健康のために、この秋はカリンをホワイトリカーに漬けたいと考えています。薬用酒について教えてください。
(35歳・女性)
 9月に入り、日差しも少しずつ和らいできました。収穫の秋の到来です。果物が実り、食べ物がおいしくなる季節ですね。
 さて、昔の人は、収穫した植物、時には動物をお酒に漬け込んで薬用酒を作ってきました。病気の予防や治療に役立てようと飲まれてきたのです。
 とはいえ、薬用酒は解熱剤や鎮痛剤ほどの即効性のあるものではなく、少量ずつ飲み続けることで、体の調子を整えるものです。漬け込んだ植物や動物の有効成分だけでなく、アルコールそのものによって血の巡りが良くなり、食欲増進につながる効果もあります。
 ここでは、家庭で簡単に作り置きできて、手軽に飲める薬用酒を紹介しましょう。

胃のもたれに
 ダイダイ酒が昔から良いといわれます。ダイダイの皮にはリモネンなどが多く、果肉にはクエン酸、ビタミンCが豊富に含まれています。また、ブドウ糖、リモネン、ビタミンA・Cなどが多いシソ酒は、疲労回復・強壮にも適しています。

高血圧に
 赤松の葉から作る松葉酒が良いとされます。赤松の松葉には、ビタミンA・C・Kなどが豊富で、血管壁を強くし、血行を盛んにします。このほか杜仲(とちゅう)を使った杜仲酒、エンジュの花を用いたエンジュ酒も飲まれます。

婦人科疾患に
 リノール酸や色素カーサミンなどを含む紅花を漬けた紅花酒があります。生理不順や冷え性、貧血などの人にもいいでしょう。漢方薬の原料になる生薬を漬け込んだ当帰(とうき)酒、川芎(せんきゅう)酒もこの疾患の人に適しています。

疲労・不眠に
 さわやかな香りと適度な酸味があるカリン酒が深い眠りを誘います。リンゴ散、クエン酸が主に含まれています。

 このほか、アンズ酒にはせき止め効果があり、ゼンソクやむくみにも利用されています。また、キンカン酒(風邪)、シャクヤク酒(消化不良・下痢)、アケビ酒(むくみ)などもあります。
 薬用酒は手軽に飲めるものですが、実際は薬として飲むものなので、一度に多量に飲まず、1日に1、2回、杯に1、2杯を毎日続けて飲めばよいでしょう。