薬用酒について教えて

 薬用酒も体に良いと聞きましたが、どんな作用があるのですか。また、どのような種類がありますか。
(62歳・女性)
薬用酒は、病気の予防や治療などに役立てようと、かなり古くから家庭で飲まれてきました。昔の人は、生薬(しょうやく)をアルコールに漬けることでいろいろな利点があることを知っていたのです。
 まず生薬の成分が、アルコールによって自然に近い状態でしっかり浸出します。そしてアルコールと一体になった浸出成分は体内に吸収されやすくなります。
 アルコールそのものにも血液循環を良くする、体を温める、食欲増進につながるなどの働きがあります。また、アルコールに漬けることで保存がきき、作り置きしたものを手軽に飲めるという特長もあります。作る楽しみ、飲む楽しみの両方が家庭で味わえるので、多くの人が利用してきたのでしょう。
 生薬を刻んだ方が成分が早く抽出し、ものによっては10日前後で飲めるようになるものもあります。高麗人参など、大きいままの形で入れる場合は1カ月以上置いてから飲みましょう。ここでは、お薦めの薬用酒をいくつか紹介します。

紅花酒 キク科ベニバナの花びらを使います。リノール酸や色素カーサミンなどが含まれ、生理不順、冷え症、貧血などの人によいでしょう。ただし、妊婦や月経過多の人には向いていません。

クコの実酒 スープやおかゆ、炒め物など料理にも使われるクコの実は、肝機能や腎機能をサポートし、滋養強壮になります。目の疲れや視力低下を感じるときにも向いています。

人参酒 秋に収穫したての生人参や、乾燥した生薬の人参を使って作ります。強壮、抗疲労、降圧、消炎などさまざまな作用があるといわれています。漬けて1~3カ月で飲めます。人参は取り出してもう一度使えるので2度漬けが可能。

カリン酒 カリンには、リンゴ酸、クエン酸が含まれていて、疲労や不眠で悩んでいる人、風邪でのどが痛いときなどに向いています。

ダイダイ酒 ダイダイの皮と果肉を使います。皮にはリモニンが、果肉にはクエン酸とビタミンCが豊富で胃のもたれに奏功します。

アンズ酒 アンズには咳き止めの作用があるといわれます。ぜんそくやむくみにも利用されます。

 薬用酒は家庭でも手軽に簡単に作れます。ただし、お酒の飲み過ぎは百害あって一利なし。一度に多量に飲まず、1日1回か2回程度、さかずき1、2杯を目安にして楽しみながら飲めばよいでしょう。