夜中、咳き込んで目が覚める

 近ごろ、寒いせいか、就寝中によく咳(せ)き込みます。何度も咳き込むため、目が覚めることもしばしば。以前も風邪を長引かせて、咳(せき)が続き、気管支炎になりました。咳で困っているのですが…。
  (55歳・女性)
 あけましておめでとうございます。2009年の幕開けです。今年も皆さんに漢方のことをもっと知っていただこうと、本コラムを執筆してまいります。どうかお付き合いください。
 さて、新年最初の相談は、「咳」です。
 咳は、気道内に生じた分泌物や血液、異物を排除するために起こる生理的防御反応です。気道の線毛運動で分泌物や異物を除去できないとき、その分泌物や異物の刺激が神経を介して呼吸筋や気管支筋に伝えられ、咳が生じ、気流速度を高めて分泌物や異物を除去するというわけです。
 また、咳と合わせて考えられることが多いのが、痰(たん)です。これは、気管支分泌腺から気道へ出された分泌物です。
 これらの原因は、今の時期に多い風邪やインフルエンザをはじめ、気管支喘(ぜん)息、気管支炎、肺結核、気管支拡張症など、さまざまな病気が考えられます。
 西洋医学での咳・痰の治療には、鎮咳薬、去痰薬、気管支拡張薬、吸入療法などが用いられます。
 一方、漢方医学では、咳を、外感によるものと内傷によるものの2つに大別して考えます。外感とは感染症であり、内傷とは体内環境の異常による疾患です。
 外感による咳は、風寒の咳、風熱の咳、熱性の咳、燥性の咳、暑湿の咳、寒湿の咳などに分類されます。内傷によるものは、体内の余剰水分による咳、消化器系・呼吸器系機能の衰退による咳などに分類されます。
 すべての咳・痰は、漢方治療で対処できます。また、西洋医学の治療と漢方薬を併用することで、短期間に治ったり、西洋薬の使用量が少なくて済むなどのメリットがあります。
 では、代表的な漢方薬を見ていきましょう。

麻黄湯(まおうとう)風寒の咳があり、悪寒のある初期症状に。汗を伴う悪寒や熱感型には用いない。

桂枝加厚朴杏仁湯(けいしかこうぼくきょうにんとう)風寒の咳で、痰、喘鳴(ぜんめい)があるときに。

神秘湯(しんぴとう)咳や喘鳴で眠れないときに。喘息にも用いられる。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)咳、痰とともに微熱が続く場合に。

 漢方薬は長く飲まなければ効かないと思われがちですが、即効性のあるものもたくさんあります。専門家に相談して、試してみてください。