民間療法と漢方薬の違い

 先日、真庭市の蒜山に登ってきました。道中、片栗粉の原料であるカタクリの花がたくさん咲いていました。葉の形が栗の子葉(しよう)に似ていることから、「カタクリ」と呼ばれるようになったそうです。うつむいて咲く紫色の可愛い花を見ることができ、登山の疲れも和らいだものです。
 カタクリは、嘔吐(おうと)、下痢の症状がある時に、ゆでた鱗茎(りんけい、地下茎の一種)を食べたり、すりつぶした根を外傷や湿疹に塗ったりすることがあり、民間療法の一つです。
 民間療法とは、先祖の経験を言い伝えてきた薬で、個々の症状に合わせて用います。この民間療法で使われる薬草が、漢方薬と間違えられることがとても多いのです。
 一般的に、民間療法の多くが、1種類の生薬(しょうやく)を用います。
 それに対し、漢方薬は原則として2種類以上の生薬を組み合わせます。生薬は大半が植物ですが、動物や鉱物なども含みます。また、個々の症状に加え、その人の全身状態に適する薬を選ぶ点が民間療法と漢方薬の最も大きな違いでしょう。
 生薬の組み合わせ、その分量、それぞれの漢方薬の適する体質などから薬を選ぶ治療体系は、先人の知恵と経験の詰まった古い医学書から知ることができます。
 ほかにも漢方薬と誤解されやすいのが植物を使った健康食品や、外国の薬草など。区別の難しいものもありますので、詳しくは専門家に相談しましょう。