自然治癒力の働きと漢方薬

 体の不調の原因は、予期せぬ急性のものもありますが、日常の生活の中で知らず知らずのうちに、自分で作り上げているものが多いものです。後者は毎日の積み重ねによるものなので、慢性的な症状につながる場合も少なくありません。
 治療の「治」という字は「おさめる」とも読み、漢方の治療とは、身体の不調を「自然治癒力」を高めて治めることを目的とします。
 風邪などの急性の症状は、自然治癒力が病気の勢いに勝てば、自然に症状は治まっていきます。
 一方、日々の生活の中で徐々に悪くなる症状は、自然治癒力が病気との勢いに負けてしまった結果として、次第に不調として表面化しているので、しつこい場合が少なくありません。
 養生のために日々の生活を変えることは中々難しいところです。
漢方薬の多くは、その人の持っている自然治癒力を高めて、症状が表に出ないよう上手に治めてくれるのです。自然治癒力の働きが強い状態がしっかり身につくまでは、漢方薬を継続して飲んで身体を補った方がいいでしょう。
 しかし、それまでに長い時間がかかることがあります。そのため、漢方薬は長く飲む必要があると思われがちですが、一度良い状態に到達すれば再発しにくくなります。
 自然治癒力を高めてくれる漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、その人に適した薬を選ぶことが大切です。専門家にご相談ください。