別々の漢方薬を同時に飲むと…

 Aという漢方薬とBという漢方薬を同時に飲むと、Cという全く別の漢方薬になります。カレーとうどんという別々の料理を合わせて、カレーうどんという新たな料理になるようなものです。
 注意したいのは、方向性ががらっと変わり、もとの漢方薬からは予測しにくい効果になる場合があることです。
 具体例を挙げてみましょう。「四物湯(しもつとう)」と「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」を同時に飲む場合です。「四物湯」は、体を温め、補う働きのある薬です。「黄連解毒湯」は、熱を冷まし、のぼせを取り去るような効果を持つ薬です。一方は体を温め、もう一方は熱を冷ます…つまり全く性質の異なる漢方薬です。
 これら2つの漢方薬を同時に飲むと、「温清飲(うんせいいん)」を飲むのと同じことになります。
 「温清飲」は、女性の月経過多や不正出血などのほか、アトピー性皮膚炎などかゆみの強い皮膚炎に活用される漢方薬です。
 同時に飲むと全く別の効果を持つ漢方薬を飲むのと同じことになってしまうことが、分かっていただけたでしょうか。こうした漢方の基本を知らないで飲むと、効かせたい症状に効果が出ないことになりかねません。
 何らかの目的を持って同時に飲むのでなければ、2種類以上の漢方薬を同時に飲んではいけません。2種類飲みたいのであれば、時間をずらして飲むことです。