漢方薬以外でも使われる生薬

 少しずつ涼しくなり、本格的な秋を迎えようとしています。今回は、秋に収穫の時期を迎える山茱萸(さんしゅゆ)という生薬(しょうやく)を紹介します。
 山茱萸の木は、早春に明るい黄色の花が咲きます。そして、10月頃になると、直径1・5~2㎝ほどの果実が、サンゴのように赤く熟します。その姿からハルコガネやアキサンゴといった名前でも親しまれています。
 実が熟し過ぎないうちに取り、熱湯にしばらく浸した後、種子を取り除き、果肉だけを天日干しにしたものが生薬として使われます。
 漢方薬では、腎臓や生殖機能の衰えの回復を目標に利用される「六味丸(ろくみがん)」や「八味丸(はちみがん)」に含まれます。六味丸は下肢のしびれ・脱力感、頻尿、多尿、排尿困難などの症状に用いられます。八味丸は、六味丸を用いるような症状に加えて、疲れやすく、冷えが強い人に用いられます。
 山茱萸は、民間療法では山茱萸酒を飲むのが一般的です。乾燥した山茱萸200gを氷砂糖と一緒にホワイトリカー1・8?に約1カ月間漬け込みます。熟成させるほど
まろやかな出来上がりになります。10~15㏄を目安に少量ずつ飲むことで疲労回復、滋養強壮などに良いとされます。
 このように漢方で使われる生薬は、山茱萸酒のように漢方薬以外の目的で利用することがあります。お茶や薬草酒など、一度試してみてはいかがでしょうか。