目的に合わせ中心となる生薬

 漢方では、肉体、臓器、血液などの目に見えるものを「血(けつ)」と表現します。血の滞った状態を「瘀血(おけつ)」、血の不足した状態を「血虚(けっきょ)」といい、これらが原因で起こる症状に使う漢方薬に「四物湯(しもつとう)」があります。
 四物湯は、当帰(とうき)、地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)の4種類の生薬(しょうやく)で構成されます。当帰、地黄には造血、滋潤(液体で潤いを与える)の作用があり、芍薬、川芎はうっ血を疎開し、血行をよくします。瘀血や血虚に使う基本的な生薬で構成されるため、いろいろな漢方薬に含まれます。そのうちのいくつかを紹介しましょう。
 四物湯に阿膠(あきょう)、艾葉(がいよう)、甘草(かんぞう)を加えると、「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」になり、特に下半身の出血の止血に使われます。
 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)との合方なら「温清飲(うんせいいん)」になり、皮膚が乾燥し、かゆみが強く、のぼせる傾向のある皮膚症状に使われます。
 また、瘀血による痛みに使われる疎経活血湯(そけいかっけつとう)、冷えを伴う場合に使われる大防風湯(だいぼうふうとう)などにも含まれます。漢方薬は、目的に合わせて中心的な役割をする生薬があります。そのような生薬を意識して選んでみるのも回復への近道かもしれません。