散剤や丸剤の飲み方

 このコラム(第19回、20回)で、漢方が医療の中心だった時代には、漢方薬を飲むときに温度や時間にまで気を配っていたことを解説しました。
 今回は散剤と丸剤の飲み方です。
 散剤とは粉薬のこと。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や五苓散(ごれいさん)など、「散」が付いていたら散剤です。
 丸剤とは、はちみつなどを使って薬を球状に丸めたもののことです。六味丸や八味丸など「丸」が付いているものは丸剤です。
 現代では、水や白湯で飲んでいる散剤や丸剤ですが、古典をひもとくと、昔は、実にいろいろな飲み方があったことが分かります。
 水のほかに、酒、酢、塩水、お茶のほか、重湯で飲むと書かれていたり、それらの温度が指示されていたりします。
 例えば、散剤の安中散(あんちゅうさん)は、男性は熱い酒で飲み、女性なら温かい薄い酢で飲むようにと書かれており、当帰芍薬散は酒に混ぜて飲むと記載されています。
 また、丸剤の牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)は、空腹時に重湯で飲み、響声破笛丸(きょうせいはてきがん)は、比較的大きく作った丸剤をかみ砕きながら飲みました。
 昔と今では環境が異なり、酒や酢などの性質も変わりました。しかし、今でも漢方薬の飲み方に注意すると効果が出やすくなることがあります。
 古典を振り返り、検証することも大切ではないでしょうか。