緑茶に注目した先人の観察力!

 私たちになじみのある緑茶。最澄(さいちょう)が平安時代に日本に種子を持ち帰ったとされ、鎌倉時代には喫茶の風習が広まっていたそうです。
 実は、緑茶の葉も生薬です。ツバキ科の常緑樹「チャノキ」の葉を乾燥させたもので、生薬名は細茶(さいちゃ)。細茶には気を降ろし、痰(たん)や熱を去り、頭や目をすっきりさせ、頭痛を除き、解毒、利尿などの作用があるとされています。
 この細茶を含む漢方薬の一つに、川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)があります。 
 川芎茶調散は、嘔吐(おうと)を伴わない頭痛や、めまいで悩んでいる人に用いられることの多い薬です。「太平恵民和剤局方」という古い医学書に載っており、「食後に茶清(させい)にて調下す」と飲み方が指定されています。茶清とは普通に飲むお茶のこと。お茶で薬を服用するとよいと書かれているのです。
 元々、細茶は川芎茶調散の配合生薬ではありませんでしたが、「お茶で服用するとよいなら」と考え、細茶を処方の中に配合して一緒に煎じるようになりました。
 多くの漢方薬は、飲み方を厳しく気にする必要はありません。しかし、川芎茶調散のようにお茶で服用した方がいいもの、そうでないものなどがあるので専門家に相談して服用してください。
 薬の飲み方一つをとっても、効果が現れやすい方法を模索してきた先人たちの観察力の鋭さには驚かされるばかりです。