セミの抜け殻も生薬の一つ

 夏を知らせてくれるセミの鳴き声が日に日に大きくなっています。
 先日、イオンモール倉敷で小学生を対象に、自由研究をテーマにしたワークショップを開催し、漢方薬の原料である生薬(しょうやく)の図鑑を作成してもらいました。
 セミが鳴きはじめた時季なのでセミの抜け殻も持参したのですが、それを見て子どもも、同席していた親御さんも大変驚かれていました。
 セミの抜け殻も漢方薬に使われる生薬の一つで、生薬名は「蝉退(せんたい)」といいます。
 蝉退はかゆみを抑える作用があり、じゅくじゅくし、強いかゆみが絶えないような症状によく用いられる消風散(しょうふうさん)などの漢方薬の中に含まれます。
 「外科正宗(げかせいそう)」という古い中国の医学書に載る処方で、「風湿、血脈に浸淫(しんいん=徐々に進行)し、瘡疥(そうかい=できもの)を生ずることを致し、瘙痒(そうよう=かゆみ)絶えざるを治す」とあります。
 風湿とは自然界に存在する風や湿気などの性質を持つもので、それらが体に害を及ぼす状態になったものを「邪」といいます。邪となった風湿が血脈に染み込んで皮膚にかゆみを引き起こす、と昔の人は考えたのです。
 このように、古典から漢方薬の使い方を読み解くことが少なくありません。
 同じかゆみの症状でも、患部の様子や体質によって選ぶ薬が変わります。専門家に相談してうまく利用しましょう。