芍薬・牡丹・百合の効能

 「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」ということわざがあります。
 芍薬は、すらりと伸びた茎の先端に美しい花を咲かせるため、立ち姿。牡丹は横向きの枝に花をつけるため、座った姿。ややうつむき加減に咲く百合の花は、風を受けて揺れる様子がまるで優美に歩いている姿のようだという、女性の美しさを花に例えたものという説は有名です。
 一方で、3つの植物を漢方薬の原料である生薬(しょうやく)としてとらえているという説もあります。漢方では3つとも根の部分が生薬として使われます。
 じっとしているのが苦手で気の立っている女性は、緊張して筋肉がこわばっている場合もあり、気持ちを落ち着けたり筋肉のこわばりを和らげる作用のある芍薬の根を配合します。すぐに座りたがる女性は、血の巡りに滞りのある「瘀血(おけつ)」があることがあり、その場合は瘀血を改善する牡丹の根を配合。そして、歩く姿がふらふらし、精神不安、不眠などの症状を持つ女性は、精神安定作用のある百合の球根を配合します。
 このような生薬の用い方と女性を関連づけたとらえ方も、あながち間違ってはおらず、興味深いものです。
 漢方は女性特有の症状に奏効する場合がよくありますが、その人に適する漢方薬を選ぶことが大切です。漢方薬を試す際には専門家に相談して上手に利用しましょう。