漢方薬は食前に服用?

 西洋医学の薬は、食事の30 分後に服用することが多いのに対し、漢方薬は食事30分前または食間(食後2時間)が一般的です。これは漢方薬が胃の負担になりにくく、空腹時の方が吸収されやすいためとされています。では、昔から漢方薬はどれも空腹時に飲まれていたのでしょうか。漢方薬の原点である古典を振り返ってみましょう。
 古典には飲む時間が指示されていない漢方薬も多いのですが、現在でも使われている漢方薬について、古典に記載してある飲み方を紹介します。
 関節リウマチなどに使われる大防風湯(だいぼうふうとう)、頭痛やめまいに使われる半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などは、現在と同じように「空腹時に飲むとよい」とされています。
 一方、蓄膿(ちくのう)症などに使われる辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、湿疹(しっしん)に使われる清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)は「食後がよい」、寝つきが悪い時などに使われる酸棗仁湯(さんそうにんとう)は「寝る前に飲む」など、現在とは異なる時間が指定されているものもあります。
 しかし、同じ漢方薬なのに古典によって異なる飲み方が指示されていることもあります。
 こうして見ると、漢方薬によっては、あまり飲み方にこだわらなくてもよいのかもしれません。それよりも、飲み忘れのないようきちんと服用することの方が大切でしょう。