お屠蘇

 早いもので一年が終わろうとしています。そして、毎年元旦には「お屠蘇(とそ)」を飲むという人もいるのではないでしょうか。
 お屠蘇は中国・後漢末期の医者の華佗(かだ)が屠蘇酒を考案したことが始まりとされています。屠蘇とは「邪を屠(ほふ)り、身体を蘇らせる」という意味か名づけられたという説が有力です。
 そして、日本に伝わったのは平安時代、嵯峨天皇(さがてんのう・786年~842年)の頃に宮中の正月行事として始められます。江戸時代には屠蘇散として一般に広まりましたが、効果が強いため飲み過ぎて悪い影響が出る人がいました。その後、戦国時代の医師の曲直瀬道三(まなせどうさん)により飲みやすく改良されたものが広まり、処方集「衆方規矩(しゅうほうきく)」に収載されています。
 現在では、山椒、桔梗(ききょう)、桂皮(けいひ)、白朮(びゃくじゅつ)、防風(ぼうふう)、陳皮(ちんぴ)の六種類の生薬を主にして、紅花(こうか)、丁字(ちょうじ)、茴香(ういきょう)などの他の生薬を加えて、さまざまな屠蘇散が作られています。
中国ではすたれてしまった習慣ですが、日本では、「一人これを飲めば一家に病なく、一家これを飲めばその里に病なし」といわれ、元旦の朝に年少者から年長者の順にお屠蘇を飲んで祝うという習慣があります。新年の健康を願う縁起のいいものです。
 手軽にできる縁起のいい行事として、来年から始めてみるのもいいのではないでしょうか。